アパレル売上高ランキング/ユニクロがトップ独走、上位5社はいずれも増収に

2025年10月28日 10:30 / 経営

ユニクロの店舗外観写真

アパレルの売上上位企業が好調だ。特に上位3社は過去最高売上を更新している。SPA型の企業が商品力や企画力を武器に拡大。老舗アパレルがそれを追う構図となっている。2月期決算の企業は今上期も増収となっている。

国内のユニクロは初めて1兆円突破、海外も過去最高

アパレル売上ランキングの表

他社を大きく引き離し断トツのトップはファーストリテイリング。大幅な増収・増益となり、4期連続で過去最高業績を達成している。

質の高い出店を継続し、新規出店した店舗が成功するという好循環を生み出している。全体の売上高のうち56%(1.9兆円)と半分以上を海外ユニクロ事業が占め、海外展開が業績拡大をけん引。同社は「LifeWear」への顧客の支持が高まり、ユニクロの存在感がグローバルでさらに高まっていると分析する。

国内ユニクロ事業の売上収益は1兆260億円(前期比10.1%増)と初めて1兆円を突破。気温に合わせて戦略的に商品を準備し、マーケティングの打ち出しと連動させることで生活者の需要を捉えた。スウェットやストレートジーンズなどコア商品に今の時代のシルエットやデザインを反映させ、新たなニーズを喚起させたことも好調の要因となった。

海外ユニクロ事業も売上収益は1兆9102億円(11.6%増)と過去最高に。特に北米、欧州、韓国、東南アジア・インド・オーストラリア地区で大幅な増収増益となった。一方、グレーターチャイナでは減収と大幅な減益となっている。

ファーストリテイリング/8月期増収増益

しまむらはPB・JBの強化が奏功、今上期業績も過去最高に

中間期のアパレル売上ランキング

しまむらは商品力と販売力の強化を推進し、売上高は過去最高となっている。自社開発ブランド(PB)やサプライヤーとの共同開発ブランド(JB)を進化。気温に左右されにくい商品企画や弾力的な販促企画などが奏功している。

全体の売上高に占めるPB比率は前期末で24.3%にのぼる。中でも重点販売商品「FIBER DRY(ファイバードライ)」や「FIBER HEAT(ファイバーヒート)」シリーズは、生地契約を活用した短期生産により長い夏と遅い冬に対応している。今夏も猛暑を背景に「ファイバードライ」は13.4%増で推移した。

今期(2026年2月期)に入っても業績は好調を維持。上期の売上高、売上総利益高、営業利益高、当期純利益高は、いずれも過去最高を更新している。「しまむら」「アベイル」「バースデイ」の全事業で既存店売上高は前年を上回った。

しまむら/3~8月増収増益、PB・JBが好調

アンドエスティHDも過去最高を更新、今期も好調維持

アンドエスティHDの前期売上高は過去最高を更新。主要ブランドの大半が前年を上回った。特に「レプシィム」は12.5%増と大幅に成長。今期はEC売上が好調に伸びており、上期の連結売上高は過去最高となっている。

今期から5カ年の「中期経営計画2030」では、連結売上高4000億円まで成長させる目標を掲げる。さらに自社ECモール「and ST(アンドエスティ)」は、外部ブランドの出店を推進しており、流通総額を前期末の403億円から1000億円に、外販比率を3%から40%まで拡大させる方針。

アダストリアは9月1日付で商号を「アンドエスティHD」に変更し、持株会社体制に移行している。

アンドエスティ/自社ECにUAなど他社ブランド続々出店

ワールドはアパレルの苦戦続くも、プラットフォーム事業は好調

ワールドの前期は店舗売上の伸び悩みを好調なEC売上でカバーした。今期は、上期の売上収益が前期比24.3%増と2桁増収で推移。「ブランド事業」はアパレルが苦戦しているが、外部企業向けに店舗やブランド開発、EC支援などを手掛ける「プラットフォーム事業」が大きく拡大し、全体を押し上げている格好だ。

アパレルの苦戦について、上期は「春夏の生販コントロールや企画業務の精度改善の過程で、著しい現場力低下が露呈した」と分析し、本質的な「ヒト」課題の解決を目指していく。通期の連結業績は売上収益3000億円(32.9%増)を予想する。

ナルミヤ/「プティマイン」香港1号店オープン

オンワードHDは「23区」「自由区」が好調、ウィゴーも貢献

オンワードホールディングスは、中核事業会社のオンワード樫山が運営する基幹ブランド「23区」「自由区」や、新規ブランド「アンフィーロ」の売上が好調に推移。「KASHIYAMA」を展開するオンワードパーソナルスタイルではデジタル広告によるプロモーション施策が引き続き奏功した。

今期も好調に拡大しており、上期の売上高は18.4%増と2桁伸長。商品ラインアップの強化や新規出店の加速などが寄与した。昨年秋に連結子会社化したウィゴーも、マーケティング精度向上やEC事業好調などにより大幅増収に貢献した。通期業績は10.4%増の2300億円を見込む。

オンワード/新業態「カシヤマ」の新店舗オープン

構成・執筆 比木暁

セブンイレブン、ファミマ、ローソン上期決算/節約志向対策・加盟店利益の確保で明暗

流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。

メルマガ無料登録はこちら

株式会社しまむらに関する最新ニュース

一覧

株式会社ファーストリテイリングに関する最新ニュース

一覧

経営 最新記事

一覧

ユニクロに関する最新ニュース

一覧

ランキングに関する最新ニュース

一覧

アパレル・ファッションに関する最新ニュース

一覧

最新ニュース

一覧