ネットプロテクションズ/「後払い決済」台湾で会員100万人突破、ベトナムにも進出
2023年08月08日 17:40 / 海外
ネットプロテクションズは8月8日、「海外後払い決済(BNPL=Buy Now, Pay Later)の最新動向と今後の展望」に関する説明会を開催した。
ネットプロテクションズは2000年創業。国内BNPLのリーディングカンパニーで、年間取扱高4990億円、年間取引件数約6500万件(2022年4月1日~2023年3月31日)、加盟店総数約57万9000店舗(2023年3月31日現在)となっている。長年の与信審査改善により最終未払い率0.59%、高い余震通過率95%(2023年3月31日現在)を両立させ、ネットショッピング市場の成長とともに、同社も業績を拡大している。
日本で、ネットショッピングにBNPLを利用するユーザーは、クレジットカードをネットショッピングで利用するのは不安・面倒と感じる生活者。特に女性が多く、支払い方法はコンビニエンスストアでの現金払いが多く、上限金額は5万円前後だという。
<Boku Network Services, Incの依田氏>
Boku Network Services, Incの依田寛史APACシニアバイスプレジデントは、「欧米ではBNPLは、支払いはクレカとひもづいており、クレカの上限額がそれほど大きくない、男女関係なく若い人に利用されている。上限も30万円前後と、家電などある程度高額な買い物はしたいが、銀行口座に余裕がない人が利用する場合が多く、日本とはユーザーのニーズが違う。欧米のクレカは、日本のように分割払い、リボ払いがないため、手数料が原則かからない分割払いニーズが大きい。一時期のような成長は鈍っているものの、まだ海外でも利用者が伸びるだろう」と分析している。
近年、ネットプロテクションズは強みのリスク管理力を生かし、リスク管理難易度の高いアジア事業に乗り出している。
東南アジアではECが成長しており、簡単な決済方法の需要がある。また、スマホを1人1台以上持ち、毎月一定の給与を稼ぐ若年層も増加している。
しかし、クレジットカード普及率が低く、銀行口座がないといった新興国ならではの事情がある。そこで、同社は新興国向けのサービスを展開するべく、日本と東南アジアの中間にある金融事情の台湾に、2018年進出。グローバル向け後払い「AFTEE」を構築、台湾の2800社以上のECで導入され、2023年5月会員が100万人を突破した(台湾の人口は2022年12月現在約2326万人。出典:外務省HPの台湾基礎データ)。
会員登録不要、クレジットカード不要で、分割払いが可能。登録情報が少なく、与信審査も迅速な点が好評を得ているという。
ネットプロテクションズの海外事業責任者の角元友樹氏は、「台湾でも日本のように、クレカをネットショッピングに使いたくない30~40代女性の利用が多い。ネットショッピングだけでなく、今後、訪日する台湾人に向け、旅行時のオフライン決済としてAFTEEを利用できるようにすることを準備中。小売店などにおいて、QRコードで決済し、台湾に帰ってから台湾ドルで支払えるように、顧客利便性を高めていく」と意気込みを語った。
さらに、2022年にベトナム子会社を設立し、2023年6月サービスをローンチ。現在加盟店数は10~20店舗だとしている。
角元氏は「ベトナムでは20~30代の男女関係なく、クレカは持ってないが、毎月一定の給与所得がある人がターゲット。加盟店の獲得、生活者への周知が難しいため、金融機関、信販会社に自社プロダクトを提供し、当社はリスクコントロールを中心としたプロダクト構築に専念する展開も検討している」と述べた。
■ネットプロテクションズの問い合わせ先
https://corp.netprotections.com/
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