U.S.M.H/前年のまとめ買い反動・販管費増で3~11月減収減益
2022年01月11日 10:40 / 決算
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(以下:U.S.M.H)が1月11日に発表した2022年2月期第3四半期決算によると、営業収益5351億1500万円(前年同期比2.5%減)、営業利益71億7000万円(48.1%減)、経常利益73億6500万円(47.5%減)、親会社に帰属する当期利益39億700万円(49.4%減)となった。
既存店前年同四半期比において客数は前年同期並み、客単価は2.4%減となっている。客数においては、デジタルの活用を含むさまざまな販売促進施策が、顧客に支持されたこともあり、前年同期程度の数値となった。一方で、昨年度のまとめ買いの傾向が終息を見せ買上点数が減少したことにより、客単価は低下傾向にあるという。
部門別売上高は、新たなメニュー提案や販促活動との連動施策によりデリカ(惣菜)部門が5.6%増と前年に対し大きく伸長した。鮮魚部門においても、主要子会社マルエツやマックスバリュ関東において鮮魚寿司の施策が功を奏し、前年と同水準を確保している。
販管費では、フルセルフレジの導入、「スキャン&ゴー」の展開による生産性向上の取り組み、本部と店舗の人員配置の見直し等による人件費の効率的化を推進した。一方で、大規模な既存店活性化などの投資を実行したことにより販管費は1.5%増となった。
第3四半期連結累計期間において、マルエツが4店舗、カスミが2店舗、グループ計で6店舗を新設した。一方、経営資源の効率化を図るため、マルエツが2店舗、カスミが1店舗、マックスバリュ関東が1店舗を閉鎖し、グループの第3四半期連結累計期間の店舗数は、520店舗となっている。
デジタル化について、同社が開発したスマートフォン決済「Scan&Go Ignica」の利用店舗を500店舗超に拡大し、マルエツ・カスミ全店で利用が可能になった。
主要子会社では、マルエツは鮮魚寿司「魚悦」や「窯焼ピッツァ」などのこだわりの商品を展開し、冷凍商品の売場拡大やサービスエリアの見直しを図るなど既存店の活性化に取り組んだ。
カスミは創立60周年の節目を迎え、プレゼントキャンペーンを実施。より効率的な企業運営を目指し「業務改革プロジェクト」を推進している。時間帯別の作業と必要工数を明らかにし、適正な労働時間の配分と無理のない作業の実現を通し、働きやすさと効率化を図っている。
マックスバリュ関東は、「マックスバリュ関東における中期経営計画2年目施策の確実な実行の年」と位置付け、買物体験型スーパーマーケットの水平展開と進化、商品開発・仕入能力の強化、デジタル化の推進に取り組んだ。
7月に買物体験型への大型活性化である東習志野店に加え、エクスプレス業態2店舗でも買物体験型の要素を取り入れて活性化を実施した。エクスプレス業態では、近隣店舗で製造したインストアベーカリーや水産寿司といった新しいカテゴリーの扱いを増やしている。
通期は、営業収益7270億円(0.9%減)、営業利益130億円(32.0%減)、経常利益132億円(32.1%減)、親会社に帰属する当期利益45億円(49.1%減)を見込んでいる。
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