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すかいらーく/12月期売上収益16.8%増、新業態好調

2024年02月15日 10:00 / 決算

すかいらーくホールディングスが2月14日に発表した2023年度12月期決算によると、売上収益3548億3100万円(前年同期比16.8%増)、営業利益116億8800万円(前期は55億7500万円の損失)、税引前利益86億9100万円(前期は82億2500万円の損失)、親会社に帰属する当期利益47億8100万円(前期は63億7100万円の損失)となった。

3月中旬の春休み以降は回復基調が強まり、ヤングファミリー層の来店頻度、ガソリンなどの物価高騰影響を強く受けていた地方ロードサイド店舗の売上、ファミリーダイニング業態(総合型レストラン)がそれぞれ回復している。

4月のメニュー改定では各ブランドで小さいおかずやハーフサイズ商品、ミニデザートなどを導入するとともにアルコール商品もさらに訴求。併売率の向上と幅広いオケージョンでの利用拡大を図り、客数増と客単価上昇の両方を追求した。

6月中旬にはガストで「半額クーポン祭」と銘打った折込チラシを配布したところ、各種SNSでクーポン画像が拡散されたことも奏功し、キャンペーンが終了した7月下旬までの間、客数増に大きく貢献。その後の類似キャンペーンの効果や猛暑の好影響もあり、8月以降も売上は堅調に推移している。

さらなる売上増に向けて10月下旬には夢庵、11月中旬にはガストとジョナサン、12月初旬にはバーミヤンのグランドメニューを大幅に刷新。直近の消費動向を反映させた「コストパフォーマンスの高いメニュー」を各ブランドに導入、低単価のサイドメニュー拡充やアルコール商品の値下げ、割安なセットメニューの提供などで注文皿数増による客単価上昇に貢献した。

同改定では小皿商品充実により、さまざまなオケージョンでの使い勝手が向上したことによる来店頻度の増加についても企図しており、この結果については今後の各ブランドの客数動向を注視していく。

新規出店は27店舗、業態転換は41店舗だった。新規出店27店舗のうち7店は海外での出店で、台湾で「しゃぶ葉」「横濱牛排(ステーキ)」「むさしの森珈琲」を、マレーシアで「しゃぶ葉」をオープンした。店舗改装(リモデル)も継続して行い、104店舗を改装した。

アフターコロナを見据えて開発を進めてきた新業態については、2023年12月末までに「八郎そば」は2号店まで、「飲茶テラス 桃菜」は13号店までそれぞれオープンしており、顧客から高い評価を得ているという。どちらも今後の新規出店や業態転換の新たな業態候補として収益構造を固めていく予定だ。

売上総利益率は67.6%(0.5%減)だが、値上げによる各メニューの粗利益率の改善や店舗での食材ロスの低減、部門横断の原価低減プロジェクトで講じた対策などにより、鶏卵などの価格高騰の影響を一定程度抑制した。

販売費および一般管理費は2234億6500万円(78億9900万円増)。前年同期比で増加したものの、全社レベルのプロジェクトである収益改善プロジェクトの取り組みにより、実質的には大幅な経費抑制を実現。全店舗の経費執行のムリ、ムダ、ムラを徹底的に排除し、売上増による純増分を除いて水道光熱費の使用量を約6%、食器費・消耗品費を約10%削減している。

その他の営業費用は、当連結会計年度に閉店店舗に係るのれんの除却損を30億2500万円計上。107店舗が閉店したことによるもので、これらは主に前期において閉店の意思決定をした店舗となる。ただし、業績回復により閉店を撤回した店舗もあり、のれんの除却損の計上金額は想定よりも減少した。

次期は、売上収益3750億円(5.7%増)、営業利益150億円(28.3%増)、税引前利益120億円(38.1%増)、親会社に帰属する当期利益75億円(56.9%増)を見込んでいる。

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