三越伊勢丹 決算/3月期増収増益、伊勢丹新宿本店の総額売上高4212億円

2025年05月13日 17:34 / 決算

三越伊勢丹ホールディングスが5月13日に発表した2025年3月期決算によると、売上高5555億1700万円(前期比3.6%増)、営業利益763億1300万円(40.4%増)、経常利益881億2300万円(47.2%増)、親会社に帰属する当期利益528億1400万円(5.0%減)となった。

総額売上高は1兆3036億円(6.5%増)。

<識別顧客が増加と細谷社長>
識別顧客が増加と細谷社長

同日行われた決算会見で細谷敏幸社長は好調の要因について、「識別顧客が761万人に到達したことで、識別顧客売上高6395億円を達成した。お客様の買い方に合わせ、人の力とAIを使って、百貨店の中にある物だけでとらわれず、百貨店外にある物まで提供。個人外商も好調だ。地域百貨店から新宿・日本橋両本店への送客すると、利益を地域百貨店につけることで、連邦として利益をあげる体制になっている」と説明した。

売り上げ面は、伊勢丹新宿本店の総額売上高が4000億円の大台を超え4212億円(12.1%増)となるなど、主要店舗の多くが大きく売り上げを伸ばし増収だった。

利益面は、営業利益は2年連続で過去最高を更新する763億円となっている。経常利益は881億円と前年から282億円増と大きく伸びた。

総額売上高が伸長する中、販管費を99%に抑制。収支構造改革による固定費コントロールが増益に貢献している。

クレジット・金融・友の会業セグメントのエムアイカードも大きく利益を伸ばしている。

百貨店業の売上高は4611億3600万円(2.9%増)、営業利益は645億6300万円(43.0%増)。

伊勢丹新宿本店や三越銀座店のリモデルにより、新規に導入したコンテンツ・MDが好調に推移した。

伊勢丹新宿本店は「識別顧客が70%以上、インバウンドのお客様が15%と85%のお客様が識別できている状態。こういったお客様に何が必要なのか把握し、提案している。入店客数はコロナ前に戻っていないが、買い上げ率と1人当たりの購買金額が上がっている」という(細谷社長)。

クレジット・金融・友の会業の売上高は344億3300万円(5.1%増)、営業利益は57億4300万円(41.8%増)。

2025年3月に、新たに会員数拡大に向けた年会費無料の「エムアイカード ベーシック」を導入。足元のカード獲得件数も伸びている。細谷社長は「エムアイカードとアプリ、ダブルで会員になっていただくことで、さらなる識別顧客化、年間購買額増を目指す」と話している。

不動産業の売上高は295億3900万円(10.3%増)、営業利益は36億1500万円(18.7%増)。

三越伊勢丹プロパティ・デザインは、外部の大型開発案件のホテルやオフィス、ブランドショップ改装の施工が好調で、増収だった。

クイーンズ伊勢丹を運営するエムアイフードスタイルなどその他事業の売上高は960億9400万円(5.5%増)、営業利益は20億7900万円(0.3%増)。

次期は、総額売上高1兆3200億円(1.3%増)、売上高5570億円(0.3%増)、営業利益780億円(2.2%増)、経常利益740億円(16.0%減)、親会社に帰属する当期利益600億円(13.6%増)を見込んでいる。

識別顧客とのつながりを国内外で深め、営業利益は過去最高を3年連続更新する780億円、当期純利益も過去最高の600億円を計画している。

取材・執筆 鹿野島智子

三越伊勢丹HD/27年度総額売上高1兆4000億円、営業利益850億円目指す

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