ロイヤルホスト/店内調理で、家庭では味わえないメニューを提供
2016年06月17日 15:18 / 流通最前線トレンド&マーケティング
佐々木社長は「自分が本当に作りたいメニューを求める能力は個人の高い自主性と倫理観に負う面が大きい。個人の資質に依存する面が大きく、商品開発の強みを仕組みとして確立するのが、ひとつの課題だ」と語る。
個人の資質が問われるポジションのため、統轄料理長以下の人材は、できるだけ違う世代で構成する。各店舗で研究熱心な人物などを発掘し、商品開発を担う若手を育成している。
そのほか、店舗でも調理スタッフはかならず所定の調理研修を受けることを義務づけ、基本的な野菜の切り方や焼く、揚げる、といった調理法を取得させ、料理の基本を学ぶ機会を提供している。
カレーのレシピは大きく、野菜など素材を打ち出す欧風とスパイスを中心とするインド風に分かれる。ユニークな商品開発過程もあり、ロイヤルホストのカレーは、両者の中間的な独自の味わいに仕上がっている。
「伝統のあるフェアなので、同業他社はほぼ、当社のカレーを試食にきている。当社はさまざまな店のレシピを再現できるが、他社がロイヤルホストの味を再現するのは難しいだろう。それだけ、家庭では再現することができな独自の味わいに仕上げている」。
ただ、メニューの完成度が高く、味わいが複雑になるほど、全国222店で均一の味わいを出すのは難しい。ロイヤルホストでは、店内調理による味わいのぶれとチェーン店として、味の均一性を保つ一つの施策として、食材の一部にセントラルキッチンで調理した素材も導入している。
カレーであれば、具材にあたる野菜は、鮮度を生かして店内で調理をするが、味のきめてとなるルーは、セントラルキッチンから供給する方式を採用している。
それでも、味わいを一定に保つことは難しく、定期的に各店舗の味わいを実際に、本部スタッフが来店し確かめる活動をしている。本部に寄せられるお客の声で、クレームが多い商品を重点メニューと位置づけ、全国で調査をしている。
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