セブンイレブン/「セブンカフェ 水素焙煎コーヒー」10/28発売、UCC上島珈琲と開発
2025年10月24日 15:11 / 商品
セブン‐イレブン・ジャパン(SEJ)は10月28日、UCC上島珈琲と共同開発した「セブンカフェ 水素焙煎コーヒー」を発売する。
水素焙煎コーヒーは今年4月にUCC上島珈琲が世界で初めて量産化を実現した。
水素焙煎では、低い温度帯でも安定的に火力を調整できるためじっくりと焙煎できる。雑味が少なく、澄んだ飲みごたえが特徴。フルーティーでまろやかな酸味も味わえるほか、焙煎時にCO2を排出しないことから、脱炭素にも貢献できるという。
価格は税込160円。既存の「アイスコーヒー」「ホットコーヒー」Rサイズ140円よりも20円高い価格となる。
コーヒーマシンは既存のものを使用。顧客はレジで精算して、専用の青色のカップを店内のコーヒーマシンに設置すると、マシンが自動的に検知して「水素焙煎コーヒー」を選択。あとはボタンを押して注ぐという流れ。
10月24日に都内で開かれた新商品発表会で、SEJの阿久津知洋社長は「働く女性の増加、食の外部化、物価高など生活者を取り巻く環境が変化する中、カウンター商材にはまだまだ大きなニーズがある。『水素焙煎コーヒー』がカウンター商材の中核になると確信している」と自信を見せる。
一方のUCC上島珈琲の芝谷博司社長も「2021年に水素焙煎に取り組み、今年4月に量産を開始した。セブンカフェユーザーはもちろんのこと、普段コーヒーを飲まない人も楽しめる」と新商品をアピールした。
発売までの道のりは平坦ではなかった。昨秋、UCC側から水素焙煎コーヒーの販売について提案があった。商品の開発を進めたが、最初のSEJの役員による試飲では反対意見が多かった。
「初めて飲んだ印象はすっきりして美味しかったが、『水素焙煎』というネーミングから美味しいイメージを持ってもらうのは難しいのではと感じた」(SEJ阿久津社長)。
売価も通常のコーヒーよりも20円高く、売るのは難しいという反応が役員の大半を占めた。それを覆したのが7月に実施した大阪・関西万博会場での試飲会だった。1200人が試飲し、そのうち約9割が高評価だったという。
SEJ商品本部でマーチャンダイザーを務める石橋利彦氏は、万博での反応について「後味がすっきりして美味しいや、美味しくてCO2削減ができてすごいといったポジティブな反応を多くいただいた。ネーミングも味わいも我々の独りよがりではなく、価値が伝わっているだんと大きな自信になった」と振り返る。
「万博での結果を受けて、同じネーミングで商品を再度提案してきた。その現場のMD担当者の熱意に胸を打たれた部分もあった」と阿久津社長が告白する。
開発から約1年を経て、商品は全国のセブンーイレブンで順次販売を始めていく。
苦みが強くなくすっきりとした味わいのため、「セブンカフェの主要顧客が40~60代の男性だが、『水素焙煎コーヒー』は20~40代や女性も想定している」と石橋氏。
セブンーイレブンは既存店の客数が直近は3カ月連続で前年比マイナスと苦戦。そうした中で「水素焙煎コーヒー」による客数増への期待感は「当然ある」(石橋氏)。
「セブンカフェを敬遠しているお客様も『今回のコーヒーは苦手な人でも飲めるらしい。1度試してみようかな』と来店いただければ、新規のお客様になる」(同)と期待を寄せる。
そこで最初の1週間は販促を強化し、20円引きで提供する。まずは初回購入のハードルを下げ、商品の認知拡大を図っていく。
■セブンカフェ 水素焙煎コーヒー
価格:税抜149円(税込160.92円)
発売日:10月28日(火)~順次
販売エリア:全国
取材・執筆 比木暁
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