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ヤオコー/「チェーンとしての個店経営」を深堀、川野社長が語る成長戦略

――ネットスーパーの取り組みは。

川野 ネットスーパーについてもいま2店舗やっていて、いま3店舗目の準備をしているが、これを急激に10店舗、20店舗、ということは、いまのところは考えてはいない。

まずは、いまやっているところで、きちんと収益があがるというモデルを作りたい。

<ヤオコーネットスーパー>
ヤオコーネットスーパー

――お届けサービスは今後、強化するのか。

川野 お届けサービスは着実にニーズはある。当初、1店舗目を開店した時は、会員獲得に苦戦したが、着実に会員が増えてきて、定期的な利用をしてもらえるということが分かっている。

一方で、採算がとれるかというと、物流を外部に委託をしており、物流費も上がってきている中で、我々として現状、事業としての損益の見通しが立てられない。

ただ一方でニーズはある中で、他社さんとの協力を視野に入れながら、ラストワンマイルという課題に取り組んでいく。

お届けするという前に、やはりヤオコーでしか買えないというものがなければ、いずれはアマゾンに行くという風に考えられるので、ヤオコーの生鮮・デリカを含めて、PB商品、ヤオコーの商品だから買いたいというお客様の気持ちをいかに高められるかということが大切だ。

――アマゾンの生鮮への影響はどうみているのか。

川野 正直、この点については、いつまでにどれくらいということは予測しきれていない。ただ、ECの方向に進んでいるというのは間違いない。消費に占めるEC比率が高いアメリカの動向が一つ参考になると見ている。

アメリカの動向を見てもここ3年で、日本における食品のEC化率が10%を超えるかというと、そこまでのスピードはいまのところ想定はしていない。

ただ10年後、どうなっているのかということについて読み切れないが、当然、宅配の比率は増えている。そもそも、生鮮食品の構成比が高い状態であるのかは、10年後については、必ずしもそうではないかもしれない。

というのは、いま我々のメインのカスタマーは、50歳以降のお客様がメインとなっている。ヤングファミリーと呼んでいる49歳以下の買い上げの割合が、大体3分の1、ミドル50歳から65歳で3分の1、シニア65歳以上で3分の1の売上となっている。

65歳以上の3分の1の方が、素材から手作りをするという昔ながらの伝統的な食生活、ライフスタイルを楽しんでいる方。

その方々が、10年後75歳でどういうライフスタイルとなるのか、惣菜の比率はもっと上がっていくと思う。逆にいう生鮮の比率は下がっていくとことも考えられる。

また、来店の比率もいまよりも低くなると、10年後を考えると思う。

ただ、当面はやはり、我々は生鮮を強くして、生鮮で引っ張るということが重要な選択であり、いい生鮮を仕入れられるということは、それを惣菜化するということを考える上で、非常に重要な手立てだと認識している。

いま生産者の高齢化が進んでいるので、いい農産物、畜産物、水産物を継続的に我々が買わせていただけるネットワークを持っていることが今後、大きな強みになってくると思う。

そのことを頭に入れながら、この3年は生鮮強化で、強い生産者、いい生産者さんとのネットワークをきちんと強めていく。

<浦和パルコ店のイートインコーナー>
浦和パルコ店のイートインコーナー

――グローサラントについてはどう考えているのか。

川野 我々として具体的に、どの店でどういう実験をするというのは決めていない。南古谷店で実験したことについては、これを磨き込むということを続けていきたい。

グローサラントについても、その場で商品の食事をするというシーンというのは、これから増えてくるという認識だ。

明確な形というのはまだ作り切れていないが、これからの一つの大きな方向性としては、広く言えば惣菜強化であり、それもいろんなシーンに対応した、例えば、朝食に対応する、ランチに対応する、あるいはディナーに対応するというような惣菜の提供。

その場で楽しめるサービスの提供というのは、当社としても強化したいと思う。

――南古谷店の実験をどう評価しているのか。

川野 メニューについて、その場でわざわざ注文するほどものなのか、まだ魅力が足らない。逆に、お弁当をその場で、イートインで食べてもらうニーズはある。現状では、商品自体もホットドックや天丼など、お弁当との違いがなく、お客様としてもまだよく分かっていない。

パスタのような商品の方が、お客さんには分かりやすい。定番のお惣菜にない商品の方がその場で消費するには、向いている。お客様がその場食べる商品については検討している。ただ、バイオーダー向けのオペレーションまでは考えていない。

――第9次中計の利益率はどう見ているのか。

川野 次の3か年は利益率は、厳しく見ている。我々の事情だが、大きな投資を続けてきたので、減価償却費が財務上はある。もう一つは人件費が間違いなく上がってくるので、それに対して対処して、いまの利益率を維持できると考えている。

――増収増益記録は維持したいのか。

川野 我々の商売の目的が増収増益ではないので、それは絶対ではない。ただ、社員の目標としても、毎年、去年より今年、今年より来年のほうが良くなっていることは意味がある。社内に対しても、社外に対しても信用を作っている一つの大きなポイントだと思っている。

増収増益を続けられるように、計画を組んで、それをしっかりと実行していきたい。

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