「グローバル・ロジスティック・プロパティーズ(株)」が1月22日に社名変更し、「日本GLP(株)」(日本GLP)となった。それに先立ち、Global Logistic Properties Limitedはシンガポール証券取引所での非上場化も決定しており、「日本GLP」は日本での事業活動に関し全ての権限を持つことになり、顧客の要望により迅速な意志決定が行なえる体制が構築されたとしている。
社名変更と全権限掌握で「日本GLP」の何が変わり、何が変わらないのか、そして大きな変革期にある2018年の日本の物流環境下での同社の果たすべき役割、展望を帖佐義之社長に聞いた。
上場のメリットより非上場のメリット
機動性とフレキシビリティを拡大
―― 昨年、暮れも押し詰まった12月25日、社名変更を発表しました。
帖佐 2010年から、Global Logistic Properties Limitedがシンガポール証券取引所に上場していたわけですが、MBOのような形で非上場化をこの1月に実施しました。それに伴い、日本法人の社名も1月22日に「日本GLP」に名称変更しました。
―― 社名変更に先立ち発表した非上場化の狙いとは。
帖佐 一番大きな目的は、機動性とフレキシビリティの拡大です。物流不動産業界を取り巻く環境が大きく変化する中、その変化に対し、より迅速に対応できる体制が求められています。我々のビジネスの在り方もそれに合わせて変えていく必要がありますので、より積極的に、よりフレキシブルに、変化していくビジネス環境に対処できる体制を構築するためです。
―― ビジネスのスピード感がビジネスの成長のカギでしょうか。
帖佐 そうです。例えば、現在のように物流施設の賃貸事業により収益を上げるビジネスさえも、もしかしたら変化する可能性さえありえます。AI化が進んだ時に、我々はどんなビジネスが可能なのか、さまざまな変化に対して新しい事業が考えられます。非上場化により、日本サイドに意志決定の権限がもたらされることで、今までに増して、成長機会の獲得、サービスの向上にフォーカスした業務にシフトしていけます。迅速な対応、迅速な動きが企業間の格差を生むことになります。そのため、意思決定を早めて、フレキシブルな体制を構築して、顧客に最良なサービスを提供するために、非上場化を積極的に選んだということです。
日本でのビジネスに関してはこれまで実績を積み重ねてきたことで、大きな信任を得ていますので、今現在も非常にスムーズですが、今回の決定は、さらにスムーズになるということです。
―― 顧客からの反応は。
帖佐 当然心配されるだろうと思っていました。一部にネガティブな反応もありましたが、私から直接説明すると、皆さん「なんだ、そういうことか」と納得してもらえました。どうしても、上場廃止というと、乗っ取りとか身売りとかの暗いイメージがつきものですから。GLPはグローバルな会社ながら、本社という概念が稀薄な会社で、CEOは上海に、COO・CIOは米国に、CFOは日本に常駐しています。非上場化を機会に日本GLPは日本でのビジネスにフォーカスし、日本に根ざした日本の企業だと強く訴えていきたいですね。
―― 社名変更は。
帖佐 日本での事業で戦略の策定と実行について全権限を日本GLPが掌握し、日本事業の実質的統括拠点となることから、社名変更したものです。これまでも略称だったGLPの方が正式社名よりも広く使われていて、おかげさまで皆さまにも浸透していることから顧客にも社員にも違和感無く受け入れられています。
―― ロゴ等の変更は。
帖佐 ロゴは全く変わりません。物流施設の建物に使われているロゴもそのままです。
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