キリンビール/2019年は既存ブランド一新のみで、ビール類2.0%増目標
2019年01月09日 18:00 / 商品
キリンビールは1月9日、都内で2019年事業方針発表会を開催し、2019年のビール類の販売予定数を1億3780万ケース(前年比2.0%増)と発表した。1ケースは大びん633ml×20本換算。
キリンビールの布施孝之社長は、「これまではキリンが何をしたいのかがはっきりとお客様に伝わっていなかったが、2018年は開始した変革を本物にする3年間の初年度となった。現場が主役で本部がサポートする会社に変えていく取り組みが成果につながった。マーケット全体は2%程度の縮小だったが、当社はビール類で5.2%増という結果を出せた」と2018年を総括した。
2019年の目標は、ビール計4660万ケース(0.0%)、うち「一番搾り」ブランド計3300万ケース(1.9%増)、発泡酒計3320万ケース(0.3%減)、うち「淡麗ブランド」計3320万ケース(0.3%減)、新ジャンル計5810万ケース(5.3%増)、うち「のどごしブランド」計3410万ケース(11.7%減)、本麒麟1380万ケース(46.8%増)、ビール類計1億3780万ケース(2.0%増)とした。
2018年の実績は、ビール計4660万ケース(5.9%減)、うち「一番搾り」ブランド計3240万ケース(5.0%減)、発泡酒計3330万ケース(7.5%減)、うち「淡麗ブランド」計3330万ケース(7.2%減)、新ジャンル計5520万ケース(28.7%増)、うち「のどごしブランド」計3860万ケース(6.1%減)、本麒麟940万ケース(-)、ビール類計1億3510万ケース(5.2%増)だった。
2019年は主力ブランドへの集中投資を徹底するため、新ブランドは投入しない。
布施社長は、「これまでビールメーカー各社は、売上が厳しくなると新ブランドやブランド派生商品など新商品に頼ってきた。当社も12ブランドくらい挑戦したがうまくいかず、大きな投資が無駄になっていた。2019年は、一番搾り、淡麗グリーンラベル、本麒麟をリニューアルし、既存商品で話題を喚起することで会社の成長を目指す試金石となる年だ」と述べた。
ビールの「一番搾り」は、2018年のリニューアルを受け、缶の売上は5%増となった。2019年も4月上旬に一番搾りのおいしさをさらに進化させるリニューアルを行う。
発泡酒では、糖質70%オフの「淡麗グリーンラベル」を2月下旬からリニューアルする。2026年まで段階的な酒税改正で、ビール、発泡酒、新ジャンルの酒税が350ml缶1本あたり54.25円に統一されることを見越し、機能性商品としての発泡酒を訴求する。
新ジャンルでは、2018年に開始した「本麒麟」の更なる成長を目指す。布施社長は、「本麒麟は当社にとって久しぶりのヒット商品となったが、ブランド認知度はまだ50%程度と低い。まだまだ伸びしろがあるとみており、1月中旬からのリニューアルで話題性を喚起し、さらにブランド認知度を高めていきたい」と語った。
2018年にリニューアルした新ジャンル「のどごし<生>」は、「本麒麟」とのカニバリがあるものの、新ジャンルのNo.1ブランドとして、コミュニケーションを強化する計画だ。
布施社長は、「小売業で好調な企業は、いわゆる既存店売上が好調となっている。当社も既存ブランドでの成長を目指していきたい。2019年は新ブランドはひとつもないが、もし、既存ブランドのリニューアルによる話題性の喚起だけで、成長できるモデルが確立できれば、2年目、3年目以降も、同様の戦略をとっていきたい」と述べている。
流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。