帝国データバンクが2月28日発表した「食品主要195社」価格改定動向調査によると、2023年の値上げ品目数累計は8月にも2万品目を超える可能性があることがわかった。
<実施ベースでの値上げ品目数動向>

※出典:帝国データバンクホームページ(以下同)
2023年における家庭用を中心とした飲食料品の値上げ品目数は、2月までに累計1万5813品目だった。
<2023年の食品値上げ(2月28日12時時点)>

このうち、今年1~4月までの累計品目数(1万4451品目)は、前年と同じ時期(2022年1~4月:5573品目)に比べて3倍ペースで推移している。また、2022年に実施された値上げでは、1.5万品目を突破するのに要した期間が9カ月だったのに対し、2023年はそれより4カ月早く到達する見込みとなる。
2023年3月単月の値上げは加工食品を中心に3442品目となり、前年同月(1760品目)に比べて約2倍に達した。4月には今年最多の2月(5528品目)に迫る4892品目が、5月以降も合計1000品目超の値上げが既に予定されている。8月にも予定ベースで累計2万品目を突破する可能性があるという。
■値上げの原因は原材料高が98%以上
2023年に予定される値上げ1.5万品目のうち、原材料高が理由となったものは98%以上(品目数ベース)と、ほぼ全てで原材料高が理由にあげられた。
<2023年の値上げ~原因別~>

一方で、原油高などのエネルギー(86%)、プラスチック容器などの包装・資材(70%)のほか、円安(21%)なども理由にあがった。物流コストや輸入コスト上昇が続き、製品価格へ緩やかに反映する動きが目立っている。
■3月の値上げで最も多い食品分野は加工食品
2023年3月の値上げで最も多い食品分野は加工食品で1753品目となり、単月全体の約半数を占めた。ちくわをはじめ水産加工品のほか、2月に続き冷凍食品でも値上げが多くみられたとしている。
次いで多いのが菓子で593品目に上り、煎餅やグミ、氷菓などを中心に値上げが行われる。また、菓子における値上げ品目数は、単月としては2022年9月(453品目)を上回り最多を更新した。
2023年では加工食品(8022品目)が最多で、2月に続き4月もチルド麺や缶詰製品、ウインナ製品の大規模な値上げラッシュが控えている。
<主な食品分野の価格改定動向>

飼料高などで生乳取引価格が上昇している乳製品(760品目)は、牛乳やバター、ヨーグルト製品で4月に一斉値上げが行われる。前年累計(1225品目)に迫る勢いで推移している。
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