経産省/現時点で「次亜塩素酸水」新型コロナへの有効性不確認
2020年06月01日 10:20 / 行政
経済産業省は6月1日、現時点において、「次亜塩素酸水」の新型コロナウイルスへの有効性は確認されていないと発表した。
製品評価技術基盤機構(NITE)が実施している消毒方法の有効性評価の有識者による第4回検討委員会の関連資料として公表したもの。
次亜塩素酸水(次亜塩素酸を主成分とする液体)と「次亜塩素酸水」として販売されている商品について、国民の自主的かつ合理的な選択の下で有効に利用される観点から、事業者等における今後の対応における参考として、5月28日時点での知見と調査状況をもとに、販売の実態をまとめたもの。
販売実態として、「製法・原料」「液性・濃度・成分」の表示に課題があった。例えば、「次亜塩素酸濃度を、mg/L 又は ppm を単位として明記していないものが多い。希釈して用いる製品については、希釈方法について明記していない」「次亜塩素酸以外の成分について、明記していないものが多い」といった課題が指摘された。
また、 消毒・除菌等の有効性の根拠が明確でないものが多く、有効性試験を行っている場合でも、国際規格(ISO)、国家規格(JIS)、団体規格等で規定されている評価法を用いていないものがある。そのほか、結果の表示にあたっても、試験実施時期、用いた手法、試験機関、結果等が明示されていない場合があるといった事例が報告された。
■「次亜塩素酸水」の空間噴霧についての見解を公表
さらに、「次亜塩素酸水」の空間噴霧について(ファクトシート) も公表した。ファクトシートでは、「次亜塩素酸水」について、少なくない事業者が「加湿器等に次亜塩素酸水を入れて噴霧することで“空間除菌”ができる」と謳っている。これまでに販売状況を確認できた 81 品目中、少なくとも 66 品目が空間除菌を謳って販売している。
医療機関や保育施設、福祉施設等でも従前より用いられている他、新型コロナウイルス対策として新たに飲食店等で導入する事例も見られている。
一方で、「無人空間での噴霧消毒(換気を行ってから入室)は従来から行われているが、「次亜塩素酸水」は、有人空間での噴霧を示唆する販売例が多い」「物体表面のウイルス除去か、空中のウイルス除去かが判然としない販売例が多い」といった課題が指摘された。
また、「消毒剤を人体に噴霧することは、いかなる状況であっても推奨されない。これは、肉体的にも精神的にも有害である可能性があり、感染者の飛沫や接触によるウイルス感染力を低下させることにはならない」とのWHOの見解を紹介している。
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