サントリー食品、日立/AIを活用した生産計画立案システム開発
2018年11月05日 16:10 / IT・システム
サントリー食品インターナショナルと日立製作所は2019年1月から、協創を通じて、AIを活用し最適な生産計画を自動立案するシステムを開発し、実運用を開始する。
従来は、複数の熟練者がさまざまな要件を考慮し、平均毎週約40時間かけて生産計画を立案する業務を行っていたが、サントリーの計画立案ノウハウと日立のAI技術を組み合わせた新システムでは、実行可能かつ最適な生産計画を約1時間で自動立案する。
サントリーは、新システムを国内の自社・委託先の主要工場に適用することで、国内全体での生産計画を最適化し、需要変動に即応する商品の安定供給体制の構築と、業務効率改善による生産性の向上と働き方改革の実現を目指す。
近年、飲料メーカーは、消費者ニーズの多様化や天候に起因する需要変動に対し、迅速かつ柔軟に対応して商品を供給することが求められている。
こうした需要への対応に加え、納期や生産能力、生産・輸送コストなど複雑な制約条件を考慮した、最適な生産計画を立案する必要がある。
サントリーでは、これまで担当者の経験に基づいて生産計画を立案してきましたが、複雑な制約条件を考慮して計画を立案するためには高度な能力と膨大な時間を要しているほか、エリア単位で生産計画を立案していることから、エリアごとの個別最適となっており、生産リソース全体を有効活用した最適案を策定するまでには至っていなかった。
このような状況の中、SCMをはじめとした生産活動の革新に注力するサントリーと、先進的なデジタル技術を活用した「Lumada(ルマーダ)」の製造・流通業向けソリューションを提供する日立は、製造業におけるコンサルティングで幅広い知見を持つ日立コンサルティングの協力の下、「人とAIの調和」をコンセプトに協創を開始し、サントリーの計画立案ノウハウと日立のAI技術を組み合わせて、需要の変化や複雑な制約条件下で、最適な生産計画を立案できるシステムを開発した。
ルマーダとは、お客のデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション/サービス/テクノロジーの総称。
新システムをサントリーの実際の製造拠点における生産計画を立案する業務に適用し、効果を検証したところ、作業時間を従来の平均約40時間から約1時間に短縮可能な見通しを得ることができたため、2019年1月からサントリーの国内の自社・委託先の主要工場に導入して実運用を開始する。
サントリーは、今後、本システムをはじめとしたデジタル技術の活用を通じて、生産性向上と働き方改革を推進する。
日立は今後、今回開発した本システムを汎用化し、「Lumada」の製造業向けのソリューションのひとつとして展開する予定だ。
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