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阪急阪神百貨店/店頭全商品を遠隔決済可能に、来店不要なデジタル化加速

2020年10月01日 17:00 / IT・システム

阪急阪神百貨店は9月30日、店頭商品をホームページ上で紹介するWEBカタログをラグジュアリーファッションなどに拡大し、遠隔決済「Remo Order(リモオーダー)」もほぼ全店に採用した。

WEBカタログは、2020年4月スタートの阪急うめだ本店のジュエリーギャラリー・ウォッチギャラリーに加え、9月30日からラグジュアリーファッション、リビング用品、ベビー&マタニティー、阪急メンズ大阪・東京(ラグジュアリーファッション)などが登場した。

各ページには、LINEのボタンもあり、気になった商品はそのまま問い合わせも可能だ。

<WEBカタログ>
WEBカタログ

来店不要で店頭商品を決済できる「Remo Order」(※特許申請中)が、一部の郊外店を除くほとんどの店舗で利用可能になった。

「Remo Order」は、EC化されていない店頭商品を、自宅や外出先からスマートフォンで注文できるリモートショッピングサービス(来店不要)。いつも使っている商品のリピート買い、メディア・SNSで紹介された商品の取り寄せ、以前店頭で見た商品の買物などに対応する。

電話・メール・LINEで購入希望商品名や品番・価格を伝えると、スマホに購入用URLを送信、画面の指示に従って注文・決済できるもの。

この仕組みは、店頭とオンラインを融合させる「OMO(オンライン・マージズ・ウィズ・オフライン)」の独自モデルで、店頭商品のすべてを遠隔決済可能にし、ビジネスモデル特許も申請中だ。

百貨店業界では、EC(電子商取引)、オンライン商談が進行しているが、店頭商品のデジタル化、デジタル決済を実現する同社のOMOは「店頭での販売行為をオンラインに拡張する」という独特な取り組み。

阪急うめだ本店では、WEBカタログを展開するカテゴリーとECサイトを展開するカテゴリーを両軸で拡充させ、2021年中には「全売場のデジタル化」の実現を目指す。

現在「Remo Order」の利用客の約6割が、過去に買上実績のない新客。その内の約4割がデジタルを中心にリピーターになっている。自社カード以外の若年層の買上が顕著で、商圏の広域化にも寄与しているという。

<2020年5月にLINEの利用を開始>
2020年5月にLINEの利用を開始

また、従来の電話に加えてLINE、ZOOMを顧客とのコミュニケーション促進に利用。2020年5月にLINEの利用を開始し、全店で約40アカウントを発行。売場や販売部単位などで顧客とコミュニケーションを実施している。

<外商顧客への販売会から利用をスタート>
外商顧客への販売会から利用をスタート

ZOOMは、2020年5月外商顧客への販売会から利用をスタートした。9月末現在、全店で約170のアカウント(取引先含む)にて運用している。売場主導で、予約制のオンライン接客、受注会、海外や遠方の生産地とつないだイベントの実施など、バリエーションも多彩に用意している。

さらに、11月から順次、よりスピーディーなコミュニケーションの実現と、ワークスタイル変革の一環で、社員全員にスマートフォンを会社から貸与していく。

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