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富士通/超音波AI技術で冷凍マグロの鮮度の非破壊評価に成功

2022年12月21日 14:30 / IT・システム

東海大学と富士通は12月21日、冷凍マグロの重要な品質指標の一つである鮮度について、超音波AI技術を活用することで、冷凍状態のまま非破壊で評価することに世界で初めて成功したと発表した。

<冷凍マグロの鮮度を非破壊で評価>
冷凍マグロの鮮度を非破壊で評価

富士通 研究本部の穴井宏和 人工知能研究所所長は「マグロの市場は5兆円と非常に大きい。現在、冷凍マグロの鮮度検査は尾切り選別をはじめとする破壊的検査であり、熟練者の技術が必要となっている。今回の新技術ではマグロの身を切ることなく冷凍マグロの価値を維持しながら、場所を問わず誰でもマグロの品質評価を行うことを可能にするものだ」と説明した。

<東海大と富士通の共同研究>
東海大と富士通の共同研究

富士通の酒井 彬氏は「超音波を用いて身を切ることなく非破壊で鮮度を検査する手法は、冷凍マグロの肉質による超音波の減衰の影響が大きいことが課題だった。今回の新技術は、500kHz程度の比較的周波数の低い超音波が冷凍マグロの超音波検査に最適なことがわかり、正常な検体に比べて鮮度不良の検体では中骨からの反射波が特徴的であるという点に着目。判別が困難な波形も、AIを用いて鮮度の判定を可能にした。今後、水産会社などと実証実験を行い、2~3年で実用化につなげたい」としている。

<鮮度不良の波形をAIが判定>
鮮度不良をAIが判定

両者は今後、マグロの検体数を増やすことで超音波AI技術の精度向上を図るとともに、血栓や腫瘍などの鮮度不良以外の異常検知にも取り組む。

さらに、冷凍物を扱う畜産、医療・バイオ分野などへ技術を応用する研究も推進していく。

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