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イオン、アマゾン、ヨドバシ、ユニクロ/物流施設のロボット導入が加速

2023年07月18日 10:10 / IT・システム

EC市場拡大、人手不足などから、イオン、アマゾンといった流通各社の物流施設におけるロボット導入の動きが加速している。

<物流施設のロボット導入が加速>
物流施設のロボット導入が加速

コロナ禍による外出自粛などから、ECの利用が増加した結果、EC市場、特にネットスーパー市場が成長している。富士経済の調査では、2022年のEC市場は前年比5.1%増の13兆2780億円、ネットスーパー市場は、12.1%増の2770億円だった。

<ネットスーパー市場は成長が加速>
ネットスーパー市場は成長が加速
※出典:富士経済ホームページ

流通大手を中心に、配送網整備、物流施設の自動化・省人化など物流への投資が進んでおり、さらなる市場の成長が見込まれる。

イオンは7月10日、新ネットスーパー「Green Beans(グリーンビーンズ)」専用の物流拠点「誉田(ホンダ)顧客フルフィルメントセンター(以下:CFC)」の本格稼働を開始した。

イオンと提携した英国テクノロジー企業Ocado Group plcの子会社である英国Ocado Solutionsと協働し、最先端のAIとロボティクス機能を導入した。最大約1000台のピッキングロボットが稼働する。

<ロボットがピッキング>
ロボットがピッキング
※イオンネクスト提供

ロボットは秒速4mで移動し、生鮮食品、加工食品、日用品など商品の中から、6分間で50個の商品をピッキング。ロボットがピッキングし、運んできた商品を、人間が配送用のトートに入れる方式で、スタッフの作業負荷を削減、物流効率化を図っている。

2026年開設の東京都八王子市のCFC、5年後をめどに埼玉県にオープンするCFCにも、同じロボットを導入する予定だ。

<ドライブ>
ドライブ

アマゾンは、物流拠点「フルフィルメントセンター(FC)」に、自走式ロボットのドライブ(AMR)が、商品棚を自動でスタッフのいる場所に運ぶシステム「アマゾンロボティクス」(2015年にKiva Systemsから名称変更)を採用している。

ドライブが、「Pod(ポッド)」という専用の商品棚(約3万台)を移動させることで、働くスタッフの業務をアシスト。これにより、より短い時間で棚入れや棚出しをすることができる。

現在、国内およそ20拠点の内、約半数にアマゾンロボティクスを導入しており、今後も拡大していく方針。

また、倉庫自動化ソリューションを提供するフランスのEXOTEC(エグゾテック)の日本法人EXOTEC NIHONは、2022年12月発表されたヨドバシカメラでの導入を皮切りに、日本での事業展開を加速している。

<Skypod>
Skypod

同社の倉庫自動化ソリューション「Skypodシステム」は、3次元立体走行自動搬送ロボット「Skypod」、専用ラック、ピッキングステーション、多関節アーム全自動ロボットピッカー「Skypicker」から構成される。

2023年6月、三井不動産の「EC自動化物流センター」(三井不動産ロジスティクスパーク 船橋3)に「Skypodシステム」が導入された。さらに、アッカ・インターナショナルとExotec Nihonの連携により、アパレル・日用雑貨などのECサイト「PAL CLOSET(パルクローゼット)」を運営するパルにも採用されている。

EXOTECは2019年、ユニクロを展開するファーストリテイリングとサプライチェーン領域における戦略的グローバルパートナーシップに関する合意書を締結した。海外では、Carrefour(カルフール)、Decathlon(デカトロン)、GAP、ユニクロといった30以上のブランドでの実績がある。

ECにおける顧客利便性向上のための物流効率化、2024年問題など人手不足対策は流通業界において喫緊の課題となっており、物流施設へのロボット導入の流れはさらに続きそうだ。

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