カスミ/水戸市に小型実験店舗「カスミ・プルシェ」狭小立地にSM出店
2018年05月14日 18:00 / 店舗レポート
カスミは5月14日、茨城県水戸市に「カスミ・プルシェ南町店」をオープンした。
JR水戸駅から徒歩10分の19階建てマンション「レーベン水戸THE PREMIERE」の1階にカスミ小型店の実験店として、売場面積374m2を展開、目標年商は3億円。
これまで、カスミが出店していなかった「ミニ・スーパー」業態を開発することで、都心部などの狭小立地へ出店するほか、既存店舗のドミナントエリアの間に出店することで、地域内シェアの向上を狙う取り組み。
既存のカスミの商品開発・物流・商流を活用した実験店舗で、「ミニ・スーパー」であることを表すために、店舗名に「プルシェ」を付した。
店舗面積では、つくばエクスプレスつくば駅直結の商業施設「つくばクレオスクエア」に出店する量り売りと輸入食品の専門店「プルシェつくばキュート店」(約287m2)に次ぐ小型店舗。
店舗名に「カスミ」を冠した店舗としては、最小規模の売場面積で、「健康」「即食」「安全・安心」をキーワードに、日常の生活に必要な商品を通して、地域住民や近隣のオフィスワーカーにとって、利便性の高い店を目指す。
イートインコーナー24席を設置し、オフィスワーカーの昼食の場や、地域の情報発信に役立てる。
出店にあたっては、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスをカスミと共に構成し、都市型小型店「マルエツ プチ」を運営するマルエツからもノウハウを学んだという。
1次商圏は500m圏内1621世帯、2次商圏は500m~1km圏内3251世帯とした。南町店が出店したエリアは、水戸市のオフィス街と飲食店街を兼ねたエリアで一部住宅地も含んでいる。
そのため、昼間人口が多いこともあり、コンビニエンスストアと同様に、通行量の多さに基づく、通過客数も考慮した。
カスミは2015年から、コンビニエンスストアとスーパーマーケットの一体型店舗として「ファミリーマートプラスカスミ」を出店し、小型店舗の運営ノウハウを学んできた。
現在、「ファミリーマートプラスカスミ上青木店」(埼玉県川口市:売場面積288m2・イートイン5席)、「同八潮大原店」(埼玉県八潮市:296m2・イートイン17席)、「同白岡駅西口店」(埼玉県白岡市:455m2・イートイン24席)を実験的に展開している。
ファミリーマートプラスカスミでは、小型店舗としての生鮮食品・惣菜の品ぞろえや日用雑貨の品ぞろえを学び、今回の南町店の品ぞろえに生かした。
取扱いアイテム数(SKU)は、果物51、野菜118、精肉183、鮮魚94、惣菜166、コーヒー(店内抽出)19、和日配183、洋日配628、一般食品1221、菓子740、酒270、日用雑貨400、合計4073をそろえた。
目標売上構成比は、果物4.6%、野菜8.3%、精肉12.5%、鮮魚5.8%、惣菜19.1%、和日配6.2%、洋日配12.3%、一般食品11.3%、菓子12.6%、酒5.2%、日用雑貨2.1%とした。
取締役執行役員の塚田英明商品本部マネジャーは、「ファミリーマートプラスカスミを展開したことで、必ずしも個食向けの惣菜が売れるわけではないことが分かった。商品によっては2人用が一番売れるものもあり、南町店の品ぞろえに反映した。日用雑貨の品ぞろえも、何が必要される品ぞろえで、どの程度のアイテム数を展開すれば良いのかが分かった」とコンビニ一体型店舗での実験を評価する。
コンビニ一体型店舗との最大の違いは、生鮮食品と惣菜のアイテム数で、しっかりと生鮮食品と惣菜を展開することで、ミニ・スーパーとしてコンビニにはない、品ぞろえや商品価格、利便性を提供する。
オフィス街立地であり、弁当に対するニーズがあるため、大通りに面した入口のレジ前には、弁当コーナーを配置した。
お弁当では一部の商品を、近隣店舗から直送する取り組みを採用した。3kmほど離れた「フードスクエア水戸赤塚店」を母店として、約20SKUの弁当を南町店に配送している。
店内加工の商品は、コンビニでも対応しているカウンターファストフードのフライと焼き鳥だけに絞り込んだ。
塚田マネジャーは、「ファミリーマートプラスカスミでは、できたて惣菜の売れ行きが好調だった。店内加工の弁当に対するニーズがあると考え、南町店でも多店舗からの配送という形で店内加工の弁当を導入した」と語る。
店内のほとんどの商品は、外部工場を活用したアウトパック商品だが、鮮度管理が難し水産部門は、切り身と刺身の約20SKUを、水戸赤塚店からの配送商品で展開している。
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