ローソン/介護拠点併設型店100店に拡大、栄養相談にも対応
2018年08月01日 17:40 / 店舗レポート
ローソンは8月1日、介護相談窓口を店内に併設したケア(介護)拠点併設型店舗(ケアローソン)を100店程度に拡大する方針を明らかにした。
同日、文京区にでリニューアルオープンした「ローソン千駄木不忍通店」で、竹増貞信社長が語った。
千駄木不忍通店は、調剤薬局を展開するクオールがFC加盟店として運営する店舗で、第2類・第3類医薬品(OTC医薬品)の販売を行うほか、「ローソンクオール薬局千駄木不忍通店」を併設している。
リニューアルに伴いイートインスペースを13席に縮小して、医療法人社団の龍岡会が運営する介護相談窓口と栄養相談窓口を新設した。ローソンが栄養相談窓口を設置するのは初めての取り組みとなる。
竹増社長は、「親の介護の課題を抱えるお客様が増えている中で、介護相談できる場所が少ない。また、自分自身の栄養状況がどうなっているのか知らない人も多い。薬局の機能のほか、介護相談・栄養相談もできる機能を店舗に付加することで、街の健康への課題を解決していきたい」と述べた。
ケアローソンは現在、埼玉2、新潟1、大阪2、兵庫4、広島3、山口1、福岡1、千葉1、合計16店を展開する。千駄木不忍通店は、都内初のケアローソンで17店目となる。
竹増社長は、「調剤、介護相談、栄養相談の機能を持った店舗について出店目標はない。まずはニーズがあるか、やってみる必要がある。介護相談については、先行店舗でしっかりとしたニーズを感じており、すみやかに100店ぐらいまで拡大できると思う」と述べた。
介護相談と食事相談は、無料で実施しており、地域のお客の健康管理へ貢献する。龍岡会の吉田美代子管理栄養士は、「病院や介護施設では、きちんと管理された食事が提供できるが、退院して家に戻ると管理栄養士に相談できる場所がない。日常生活に戻ってからも気軽に管理栄養士に相談できる窓口を増やすことが必要だと考え、コンビニに相談窓口を設置した」と語る。
無料の食事相談の健康ミニチェックは1回10分程度で、身長・体重も計測する。食事バランスチェックは1回20分程度で100円で実施。個別栄養相談は、1回30分程度で2000円で対応する。そのほか、レシピ作成、献立作成、栄養計算などに有料で対応する。
介護相談は月曜~土曜、栄養相談は水曜・金曜の9時~17時に実施する。
店舗を運営するクオールは、介護相談窓口と栄養相談窓口を設けたことで、来店客数の増加を見込んでいる。介護相談窓口はテナントとして出店するため、店舗運営コストも低減できるという。
竹増社長は、「人生100年時代と言われる中で、いかに健康に年を重ねていくかは老若男女を問わず課題となっている。働く人は忙しく、病院や調剤薬局での待ち時間が負担になっている。近くのローソンで、OTCの医薬品も買え、調剤サービスも受けたいというニーズは高まっている。歩いていける近くのローソンでできるサービスを追求していく」と語る。
処方せん受付前には、介護食、おとな用おむつ、杖など介護用品を集めた「健康サポートコーナー」を設置した。
カロリーゼロの飴、ゼリー飲料、かまなくても食べられるやわらか食など、通常のコンビニ、スーパー、ドラッグストアでは取扱いの少ない商品を集積した。
杖やおむつといった介護用品も1カ所で購入できることで、親の介護などを行っているお客に対してワンストップで介護関連商品を購入できるサービスを提供する。
ローソンの売場は店舗中央から始まるレイアウトで、処方せん受付に隣接する位置にOTC医薬品を配置した。登録販売者の不在時に対応するため、OTC医薬品はシャッター付き什器で展開する。
OTC医薬品を販売するため、店舗専属の登録販売者3人を配置し、応援人員4人と合わせて医薬品を販売する。コンビニは24時間営業だが、OTC医薬品は平日8時~23時、土曜8時~17時に販売する。
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