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スシロー/4月売上44.4%減も「テイクアウト単価」3000円程度に増加

2020年05月07日 15:20 / 月次

スシローグローバルホールディングスは5月7日、4月の月次情報を発表した。既存店売上高は44.4%減、既存店客数54.7%減、既存店客単価22.7%増となった。全店売上高は、42.0%減だった。

4月から一部店舗が休業や時間短縮営業を実施したことで、客数が大きく減少し、売上高を落とした。4月末時点で、休業14店、20時閉店398店、21時閉店79店、22時閉店58店、22時30分閉店1店だった。

客数が大きく減少したものの、テイクアウトの売上比率が上昇し、テイクアウトが単価が上昇したことで、客単価が大幅に上昇した。テイクアウト単価は、新型コロナウイルスの影響前は2200円~2300円程度だったが、現在は3000円に近い水準まで上昇している。

<国内スシローの対応策>
国内スシローの対応策
出典:スシローGHD2020年9月期第2四半期決算説明会資料(以下同じ)

新型コロナウイルスへの対応として、テイクアウトとデリバリーを拡大しており、デリバリーは3月末で全国118店に拡大した。2019年10月の消費税増税に伴う軽減税率の適用や新型コロナウイルスの影響もあり、テイクアウトとデリバリーの売上は2月31%増、3月34%増となった。4月は2倍以上の売上実績となった。

テイクアウトでは、手巻き寿司セットを復刻販売するなどテイクアウト対応商品を強化した。そのためWeb経由の注文割合が初めて50%を超え、デジタル活用がさらに進んだ。

5月5日の子供の日は、店内飲食の落ち込みをカバーはできなかったが、これまでにないテイクアウトの売上となった。現在、店舗売上高のうち20~30%がテイクアウト売上となっており、テイクアウト売上比率は、従来の1.5倍から2倍の水準となっている。

<新型コロナウイルスの業態別売上動向>
新型コロナウイルスの業態別売上動向

業態別の影響を見ると、持ち帰りや個人利用が多いファーストフードや牛丼カテゴリーは、新型コロナウイルスの影響が小さいが、ファミリー客が多いカテゴリーは影響が大きくなり、多人数でアルコールを提供する居酒屋業態は、最も落ち込みが大きくなっている。

居酒屋業態の杉玉は、3月は20%減と居酒屋業態でありながら影響は少なく抑えてきたが、4月から一旦直営全店を閉店した。一部店舗を段階的にオープンしたが、大幅な売上悪化に直面し、4月の売上は90%減となった。

杉玉は、2~4人の少人数のお客の利用やランチやファミリー飲食ニーズもあったことかが奏功し、3月の売上は減少幅を抑えることができた。

従業員の確保について、あきんどスシローの堀江陽社長は、「元々、3月、4月は人の入れ替わりの時期であり、求人の時期であった。現在の求人状況は比較的、例年どおりに推移している。そのため、人材確保の問題はない」と述べた。

また、新型コロナウイルス対策としてテイクアウトやデリバリーでのみで営業する可能性については、「今後、新型コロナウイルスの影響を見極めた上で、一つの選択肢として、テイクアウトやデリバリーのみでの店舗運営も想定としてはあり得る」と語った。

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