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バローHD/田代会長「M&Aは規模の拡大ではなく、機能を重視」

2019年05月15日 17:10 / 経営

バローホールディングスは5月15日、今後のM&Aについて、売上・店舗数といった規模の拡大ではなく、対象企業がもつ機能を取り込むことを重視する方針を明らかにした。

<田代会長兼社長>
田代会長兼社長

田代正美代表取締役会長兼社長は同日、都内で開いた決算説明会で、「先日、富山のスーパー(三幸)を買収したが、売上というよりも、その企業の魚に対する仕入れルートの強さ、これを生かしたいので、M&Aの対象にした。どの機能を上げていくのか。単に売上額ではなく、経営資源のどこを吸収したいのかというところでM&Aを今後やっていく」と述べた。

アークス、リテールパートナーズとの資本業務提携については、「我々は物流というのを昔から強みとしてやってきている。物流業者として生きていくのが大きな柱となっている。そういう意味合いで、北海道から九州までの提携ができれば、そこに物流が乗っかっていく。(ホームセンター事業で)アレンザHDと資本業務提携したのも、東北から中国までの物流網を作っていきたいところがひとつの狙いとなっている」と語った。

その上で、「ただ単にボリュームを上げていく拡大ではなく、機能強化をしていく。そこに統合の意味を持っていく。食品に関しては、あくまでも製造小売を志向しているので、そこのところはどのような形で進んでいけば良いのか、だいたい掴んだところだ」と述べた。

かつて田代会長は、「救済型のM&Aでは、店舗が老朽化しているだけでなく、従業員も会社に対する愛着がないなど課題がある企業が多い。そういった企業は吸収合併している。バローとは異なる強みのある企業との連携をすすめていきたい」と述べていた。

2005年にグループ化した「タチヤ」(愛知)、2007年2月にグループした「食鮮館タイヨー」(静岡)は、生鮮食品に強みがある。

現在、スーパーマーケットの強化策として、生鮮食品で圧倒的な鮮度と品ぞろえを持つ、生鮮カテゴリーキラーを目指しており、タチヤを一つのモデルとして商品力の強化を行う方針だ。

2016年8月にグループ化した「公正屋」(山梨)は、店舗数は5店だが、「超鮮度の製造小売スーパーマーケット」をテーマに、生鮮食品の鮮度に加え、惣菜、弁当、パンなど自社製造に強みを持っている。

2018年8月にグループ化した「フタバヤ」(滋賀)も、店舗数は3店だが、生鮮食品の鮮度や惣菜に強みを持っている。

森克幸取締役兼バロー専務取締役は、「生鮮食品の仕入れはまだ市場流通が主力となっている。産地や市場とつながりをもったベテランの人材を確保しなければ、生鮮食品の仕入れは強化できない。仕入れルートの強化といった視点は、M&Aでも重要になっている」と述べている。

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