消費税増税/主婦の軽減税率の理解度は約5割、9割が買い物に影響
2019年09月03日 15:40 / 経営
凸版印刷グループのワン・コンパスが運営する電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」は8月30日、主婦の消費税増税に関する意識調査を発表した。
<軽減税率制度の理解度>
出典:ONE COMPATH「Shufoo!」 調べ
■軽減税率制度「十分に理解している」4.7%
調査によると、食料品の消費税率を8%のまま据え置きに設定する「軽減税率」ついて、「十分に理解している」と回答したのは4.7%、「なんとなく理解している」48.0%となり、軽減税率制度についての理解度が約半数(52.7%)にとどまった。
「全く理解できていない」9.6%、「あまり理解できていない」37.7%となり、約半数の主婦は軽減税率制度を理解していないことが分かった。
軽減税率は、各メディアでも取り上げられるなど耳にすることが増えているが、対象となる飲食料品の中でも酒には軽減税率が適用されない、外食とテイクアウトでは税率が異なるなど例外的な規則があり、複雑で分かりにくいことが要因と考えられる。
10月からの消費税増税の影響については、「(日常の買い物行動に)影響がある」(60.1%)、「やや影響がある」(29.7%)となり、合計89.8%の人が買い物行動に影響を与えると答えた。
89.8%の人を対象に「増税後、買い物において新たにやりたいこと」を複数回答で聞くと、「ポイントカードをこまめに利用する」が65.1%、「チラシを注意深くチェックして安い日や商品を狙う」が59.7%、「クーポンを集めて利用する」が50.2%となった。
自由回答では、「上記の工夫はすでにやっている」としたうえで、「安い時のまとめ買い」「現金払いのみの店舗での買い物を避ける」といった回答が見られた。
■キャッシュレス・ポイント還元事業の認知度は63.6%
経済産業省が実施するキャッシュレス・消費者還元事業で、キャッシュレス決済を対象店舗行うことで最大5%のポイント還元が受けられる制度について認知度を調べたところ、「知っている」が63.6%となり、「知らない」36.4%を上回った。
「ポイント還元を機にキャッシュレス決済での買い物を増やそうと思うか」という質問では約半数の44.7%の人が「思う」と答えた。「思わない」は19.3%で、2割以下だった。「分からない」は36.0%で、今回の増税をきっかけに、キャッシュレス化の波が高まるのは必至といえそうだ。
複数回答で「増税に備えて予め購入しておきたいものはあるか」を聞いたところ、提示した選択肢の中で、「トイレットペーパー」が46.8%、「ティッシュ」が41.3%でツートップとなった。以降、「シャンプー・リンス」が39.9%、「食器・洗濯などの洗剤」が37.5%、「ボディソープ・石けん」が31.1%と日用品が続いた。
次に支持が多かった飲食料品関連を見てみると、「お米」が23.7%、「みりん、醤油などの液体系調味料」が20%と、軽減税率が適用されない「お酒」の17.2%よりも駆け込み購入意向が高いことが分かった。
日用品、飲食料品以外では、「化粧品、ヘアケア用品など美容系商品」が23.1%と高く、デパートや百貨店、ドラッグストアなどでの駆け込み需要が予測される。
一方、「PC、タブレット、スマートフォン」「冷蔵庫などの白物(生活)家電」「テレビなどの黒物(オーディオ)家電」などの電化製品や、「服」「かばん、靴」「アクセサリー」などは軒並み10%程度かそれ以下にとどまった。
主に「トイレットペーパー」「ティッシュ」といった、賞味期限がなく長期間のストックが可能な商品をはじめとして、日用品や食料品など主に消耗品への駆け込み需要が垣間見える結果となった。
自由回答では「生理用品」や「おむつ」など、女性や子どもの必需品でありながら軽減税率が適用されない商品の購入意向が反映された。
■増税後は「外食」「食費」を節約
「増税後に節約したいもの」について複数回答で聞いたところ、軽減税率が適用されない「外食」が53.4%とトップで、「食費」が49.4%、「生活雑貨、日用品」が42.3%と続いた。
一方、「旅行」は16.5%、「趣味」は11.3%など娯楽関連の優先度は低く、増税後はまず日用品や食費など生活に必要不可欠なものから節約したい主婦が多いと言える。
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