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食品主要105社/累計6000品目超で今年値上げへ、価格改定率は平均11%

2022年04月19日 15:00 / 経営

帝国データバンクは4月16日、「食品主要105社」の価格改定動向調査結果を発表した。

<2022年以降の食品値上げ品目数・月別>
2022年以降の食品値上げ品目数・月別
※出典:帝国データバンクホームページ(以下同)

原材料価格の高騰が続くなか、消費者生活に直結する食品分野で価格の改定(値上げ)が相次いでいる。上場する食品主要メーカー105社における、2022年以降の価格改定計画(実施済み含む)を調査した結果、4月14日までに累計6167品目で値上げの計画があることがわかった。

このうち、6割超にあたる4081品目で4月までに値上げした。今年に入り、食用油や小麦粉、大豆、砂糖など主原料系の高騰は周辺商材へ急速に波及するなか、直近でも冷凍食品やしょうゆ、食肉加工品、水産練り製品、豆乳、菓子などで、原材料高を価格へ反映させる動きが急増している。各品目の価格改定率(各品目での最大値)は、平均で11%となった。

<価格改定の食品分野別>
価格改定の食品分野別

食品分野別に値上げとなった品目をみると、最も多いのは加工食品で2909品目判明し、全体の47%を占めた。値上げ率平均12%だった。

加工食品では、ハムなどの食肉加工品から、カマボコなどの水産加工品、即席めんなど、幅広い品目で値上げがみられた。小麦や油脂などの原材料調達価格高騰に加え、原油高でラップなど包装材価格高騰を価格に反映したケースが多かった。

次いで多いのは調味料の1311品目で、値上げ率平均は9%。加工食品の品目と合わせると、値上げ全体の約7割を占めた。調味料では、ドレッシングやマヨネーズを中心に、特に食用油の価格高騰による影響が目立ったという。

国内油脂供給量の約4割を占める菜種は主産地のカナダで天候不順により生産量が落ち込む一方、脱炭素社会に向けたバイオ燃料向けの需要が拡大し、相場価格は上昇傾向が続いている。特に、菜種油はマヨネーズやドレッシング類など調味料の原料として使われるため、これらの品目を中心に値上げが相次いだ。

酒類・飲料(744品目)では、サトウキビなどから作られる粗粒アルコール価格高騰のほか、輸入ワインなどが物流費高騰や円安の影響から値上げを実施。菓子(431品目)でも、ジャガイモの不作のほか、油脂、砂糖といった原料高、包装資材の高騰が響いた。乳製品(400品目)は、帝国データバンクでは「中国での消費拡大から輸入チーズの原料高が影響している」とみている。

<分野別で最も多いのは加工食品>
分野別で最も多いのは加工食品

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