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小売・スーパー4団体/物流改善の検討会に意見書、検証なき規制的措置に抗議

2023年01月18日 12:05 / 経営

全国スーパーマーケット協会、日本小売業協会、日本スーパーマーケット協会、日本チェーンストア協会は1月11日、「第5回持続可能な物流の実現に向けた検討会」 に向け、小売事業者を想定した荷主企業を対象に物流改善への規制的措置の検討などを盛り込んだ「中間とりまとめ骨子(案)」に対し意見書を提出した。

<「第5回持続可能な物流の実現に向けた検討会」 の様子>
「第5回持続可能な物流の実現に向けた検討会」 の様子

同検討会は、経済産業省、国土交通省、農林水産省が共催するもの。小売・スーパー4団体の連名による意見書は、1月17日開催された第5回検討会の参考資料として共有された。

意見書では、「ものが運べなくなる」という事態の発生を防ぐため、小売業界としても努力を続けることが必要であることを十分認識しているとした上で、「国の政策の対象となることについては、その選定と措置内容に係る十分な実態把握に基づく根拠と必要性が示されなければ、到底、納得できない」と抗議。いわゆる「物流2024年問題」を回避し、持続可能な物流を実現するためには、「物流にかかわるすべての事業者と消費者がその問題を理解し、解決に向けて協力していくことが必要」だとしながらも、中間とりまとめ(案)に「直ちに納得できない内容が含まれている」とし、意見書を提出した。

具体的には、骨子案における「現状と課題」について、「物流の危機的状況に対する消費者や荷主企業の理解が不十分」という記載について、「荷主企業の理解は、昨今の物流コスト上昇を受け、いや応なく進んでいると認識している。あたかも荷主企業全体がそうであるかの指摘は不適切」だと反発。

「現状と課題」の物流プロセスの課題について、「サプライチェーンのパワーは川下の小売が強い」とあるが、その後の検討会において、根拠となる小売業者の段階での非効率な事象が可視化されたデータや資料は「一切提示されていない」と指摘している。

また「課題を踏まえた政策の方向性」について、「規制的措置等、より実効性のある措置も検討」とあり、第4回検討会で措置の対象として小売事業者が想定されていると説明があったが、「さまざまなサプライチェーンを俯瞰(ふかん)してどこに、どのような問題が、どの程度存在するのかを把握し、可視化することが先立つべき。それなくして小売事業者を措置の対象と想定することには納得できない」と抗議した。さらに「物流の効率化に取り組んでいる小売事業者は多くあり、詳細な実態把握をベースに、物流合理化措置の内容や程度の目標を定めたうえで施策手段が決められるべきではないか」と疑問を呈した。

同検討会事務局では、「今後の検討にあたっては、中間とりまとめをもとに事務局において講ずべき措置や施策の具体化を進める。この際、企業規模や輸送物資の特性等により物流実務が大きく異なっていることから、荷主業界団体・有識者等へヒアリングを行い、措置・施策をより精緻化していく」との姿勢を示した。最終とりまとめは2023年5~6月となる予定。

■第5回持続可能な物流の実現に向けた検討会
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sustainable_logistics/005.html

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