花王×ライオン/再生原料使用したつめかえパックを初製品化
2023年05月17日 13:57 / 経営
花王とライオンは5月16日、使用済みの容器を再び同じ種類の容器に戻す水平リサイクルにより、再生材料を一部に使用したつめかえパックを、初めて製品化したことを発表した。
<2社が再生原料使用つめかえパックを初製品化>
2社は2020年9月に、プラスチック包装容器資源循環型社会の実現に向けた連携を発表し、フィルム容器(つめかえパック)のリサイクルに取り組んできた。その協働の成果として、花王は衣料用濃縮液体洗剤「アタック ZERO つめかえ用(1620g)」を、ライオンは洗濯用液体高濃度洗剤「トップ スーパーNANOX ニオイ専用 つめかえ用超特大」を2023年5月29日から順次、一部店舗で数量限定発売する。
<つめかえパック構造イメージ>
洗剤やシャンプーなどのフィルム容器(つめかえパック)は、内容物を温度や湿度、紫外線などから守るため、異なる素材でできた何層もの薄いフィルムを重ねて作られており、リサイクルすると不均質なフィルムになるため、製造の過程で孔(あな)があいてしまうなどの課題があった。
そこで花王は、2021年6月にフィルム容器リサイクルのパイロットプラントを和歌山研究所に導入。フィルム容器の一括リサイクルの開発・検証を進め、つめかえパックの一括リサイクル技術の確立により、リサイクル材料を使用したつめかえパックの製品化に至った。リサイクル材料は、中間層の一部に使用している。
<リサイクルのイメージ>
リサイクルした材料は、リサイクルつめかえパック全体の材料のうち約10%に使用。このうち、9%が製品として使用されなかったつめかえパックを活用したもの。残りの1%はこれまでに花王が回収を実施してきた自治体のものに加え、花王・ライオンの協働で回収の実証実験を展開する総合スーパーのイトーヨーカドー曳舟店(東京都墨田区)、ウエルシア薬局で回収したものを一部活用した。
今後の取り組みとして、2社はイトーヨーカドー曳舟店、ウエルシア薬局での回収を続けながら、リサイクルに対する消費者の理解・協力を得るためにさらなる啓発活動を展開する。その上で、消費者の協力を得やすい分別回収のプロセスや、行政・流通と連携したより効率的な回収方法を検討していく。
さらに花王はつめかえパックの一括リサイクル技術の向上を、ライオンはリサイクルしやすいフィルム容器の技術開発を、各社で進めていくという。
引き続き、企業間あるいは業界の垣根を越えて広く自由に利用可能な設計ガイドラインを作成し、リサイクルしやすい包装容器の設計を目指す。
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