ニトリ/似鳥会長「待ちに待った円高がやってきた」将来は値下げも検討
2024年08月08日 13:53 / 経営
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ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長は8月7日、都内の東京本部で開いた2025年3月期第1四半期決算説明会で、円高が継続した場合、商品値下げを検討する方針を明らかにした。
似鳥会長は、「為替のことは私の責任の範囲でやっている。急に円高になって、良かったなと。実際のところ、ほっとしている。待ちに待った円高がようやくやってきた。円高による差益を何に使うかは、いま、粗利益が通常よりも3、4%下がっている。1%の粗利益率は、3円となる。だから、第一四半期は、(1ドル)157円なので、10円円高になると約3%粗利率が上がるということだ。なので、2、3%は粗利率を元に戻して、それ以外は値下げをするとざっくり考えている」と述べた。
今後の為替の見通しについて、「今年は、ウクライナの関係もあるが、130円台後半になるかなと。来年は120円台を期待して、その先は110円台を期待している。流れとして、一気に潮目が変わったので、これからドル安・円高が1、2年は続くと思う。だから、為替予約はしない。為替が100円台、110円台になってから為替予約を考える。円高の時は、為替予約はしない。将来、円安になったら為替予約を検討するという原理原則のセオリー通りにやっていきたい」と語った。
景気の見通しについては、「円高になると、価格が下がってくるので、インフレ率が下がってくる。それによって実質賃金が上がってきて、消費に結びつく。ただ、いまは賃金が追いつかないで、2、3%の実質賃金のマイナスと言われている。ボーナスでやっと1%あがった。円安の効果が出るのは、6カ月以上かかる。海外からの輸入品が来て、半年から1年はかかる。まだ8月なので、来年にならないと値段は下がらない。今年は、このままの状態で行く。ボーナスで良くなってもまたもとに戻る。実質賃金が2、3%伸びるのは来年からだろう」と予測した。
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