日本スーパーマーケット協会/岩崎会長「年収の壁を壊すための税制改革を」

2024年10月08日 14:03 / 経営

日本スーパーマーケット協会は10月7日、被扶養者(第3号被保険者)が、社会保険料の負担が発生することで、手取り収入が減らないように年収を抑えようとする「年収の壁」に関する提言を発表した。

<日本スーパーマーケット協会の岩崎会長>
日本スーパーマーケット協会の岩崎会長

日本スーパーマーケット協会の岩崎高治会長(ライフコーポレーション社長)は、「協会加盟各社で働くパートタイマーへのアンケートで、就労調整をしている人の80%が103万円の年収を意識していることがわかった。年収の壁を壊すには、年金制度のみならず税制を含めた複合的な改革が必要だ。今の制度はあまりに複雑で、働き方の変化に対応した公平で、簡素な制度にしてほしい。最低賃金が上がるのは賛成だが、このままでは就労調整がさらに増え、人手不足が加速し、現場が立ち行かなくなる」と危機感を募らせた。

提言では、社会保険制度の「被用者保険の適用拡大」について「企業規模要件」の撤廃、急激な物価上昇と大幅な最低賃金引き上げを反映した「住民税・所得税の課税最低額引き上げ」の見直しをあげた。就労調整の一因になっている企業や公務員の「配偶者手当」を廃止または縮小し、子に関わる扶養手当を増額するなど、労使で話し合えるよう、政府からの一層の働きかけを要望している。

岩崎会長は「パートタイマーに根強く残る103万円を解きほどくには、この三つが必要。当協会だけでなく、他の流通関連の協会にも共同戦線を張るよう呼び掛けている」と話している。

なお、「103万円の年収の壁」は、パートやアルバイトで働いている人の年収が103万円を超えると、所得税が課税されるため、年収を抑えることを指す。また、社会保険上の年収の壁は、106万円もしくは130万円の年収を超えると社会保険料の負担が増えることで、これらの制度の理解が不足し、誤解しているため、必要以上に働き控えする人もいるという。

取材・執筆 鹿野島智子

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