キリン/withコロナの健康志向に「一番搾り糖質ゼロ」酒税減税も追い風
2020年08月27日 16:00 / 経営
キリンビールは8月27日、「一番搾り 糖質ゼロ」(350ml、500ml、オープン価格)の商品発表会を開催した。
10月6日に発売する「一番搾り 糖質ゼロ」は、「一番搾り製法」による雑味のない澄んだ麦のうまみと、約5年の歳月をかけて350回以上の試験醸造を重ね、キリンビールの技術力を結集させることで、国内で初めてビールカテゴリーで「糖質ゼロ」を実現した。
「新・糖質カット製法」(新技術)の採用で、原材料である麦芽の選定から見直し、キリンビールが培ってきた仕込技術・発酵技術を進化させ、「糖質ゼロ」の「一番搾り」を開発したもの。
布施孝之社長は、「withコロナの生活様式の変化の中、いわゆるコロナ太りを気にして健康志向が高まっている。当社のビール類も、糖質オフ・ゼロ系ビール類の販売数量が、1~7月で前年比約5%増と伸長している」。
「当社の調査で、発泡酒と違い、8割近いお客様はビールに一番おいしさを求めていることがわかった。5年かけ麦芽の多いビールを糖質ゼロにし、選択肢を広げ、健康を意識するお客様を取り込む。10月の酒税改正で350ml缶1本当たり約7円減税されることも追い風とし、一番搾りブランド、ビールカテゴリーの再成長を目指す」と説明した。
2020年の販売目標は約120万ケース(大びん換算)、一番搾りブランド全体は2020年の年間目標1670万ケースと前年比約10%増を目標としている。
2021年は、「一番搾り 糖質ゼロ」が「一番搾り」本体の3分の1程度を占めるまでの成長を見込む。
また、業務用市場への導入時期は未定。缶商品をメインに、withコロナの「家飲み」需要を取り込みたい考えだ。
価格はオープンだが、通常の「一番搾り」と同程度を想定している(キリン調べで、現在コンビニにおける「一番搾り」は350ml税込228円、500ml299円)。
技術開発担当のキリンホールディングス飲料未来研究所の廣政あい子氏は、「一番搾り 糖質ゼロの開発は、育休中にパパ友のビールが好きだが、体型が気になるから、ビールは最初の1杯だけという言葉がきっかけとなった。ビールは麦芽を50%以上使用することが必要なので、技術的に糖質をゼロにするのは大変難しかった。麦芽の選定から見直し、仕込みの効率化、元気な酵母の使用で糖質を食べきらせるなど様々なアプローチの結果、誕生した」としている。
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