大手百貨店/3月売上高4社そろって減、客単価下がり免税売上が苦戦

2025年04月01日 16:57 / 月次

大手百貨店4社が発表した3月の売り上げ速報によると、三越伊勢丹ホールディングス前年同月比0.5%減、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)2.1%減、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)3.7%減、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)2.5%減だった。

社名 売上高前年同月比
三越伊勢丹 0.5%減
J.フロントリテイリング 2.1%減
H2Oリテイリング 3.7%減
高島屋 2.5%減

三越伊勢丹HD(2024年3月期売上高:5364億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比0.6%減、三越日本橋本店店頭1.2%減、三越銀座店4.1%増などで、三越伊勢丹計0.5%減だった。

函館丸井今井0.2%減、仙台三越5.1%減、新潟三越伊勢丹3.6%減、静岡伊勢丹8.6%減、名古屋三越0.9%減、広島三越8.4%減、岩田屋三越3.2%減など、国内グループ百貨店計は3.6%減、国内百貨店計は1.6%減となっている。

全国的に天候が不安定だったこともあり、買い上げ客数は新宿・日本橋・銀座計で1.4%減、首都圏既存店計で0.9%減となり、売り上げに響いた。

首都圏では店舗によって用途は異なるものの、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドのジャケットやスカートなどを中心に春物衣料品が伸びた。

また、宝飾品や化粧品、装身具などが引き続き堅調に推移しているという。

免税売り上げは化粧品や装身具に高い関心がみられる。また、日本人売り上げ同様、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドの衣料品も堅調に推移した。

J.フロントリテイリング(2024年2月期総額売上高:1兆1519億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比1.2%減、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は2.1%減だった。

3月は、化粧品、アクセサリーなどが好調に推移したものの、気温の寒暖差が大きかったことにより春物衣料品が伸び悩んだことに加え、ラグジュアリーブランドや宝飾品も前年実績を下回った。

店舗別では、15店舗中6店舗が前年実績を上回った。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、4.3%減(客数29.1%増、客単価25.8%減)。化粧品が大きく売り上げを伸ばしたものの、客単価が低下したという。

エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2024年3月期売上高:6574億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比3.7%減となった。内訳は阪急本店3.7%減、阪神梅田本店7.9%減、支店計2.2%減。

3月は下旬に差し掛かるまで肌寒い日が多く、春物ファッションの動きが鈍かった。一方、ブライダル、ギフト需要が堅調で国内売り上げは前年並みだった。

しかし、免税売り上げは、前年高伸した反動と円高傾向の影響が重なり、件数は前年を上回るものの単価が大きくダウンし、約2割減となっている。

阪急本店、阪神本店、川西阪急の大型改装による売り場面積減少影響も重なり、2021年9月以来3年6カ月ぶりに全店、阪急本店ともに前年売り上げを下回った。

阪急本店は、肌寒い気温と改装に伴う売り場面積減少が重なり、婦人ファッションが苦戦した。一方、ブライダル向けアクセサリー・宝飾品、卒業・入学式など春のセレモニー需要などは好調で、国内売り上げは前年を上回った。

免税売り上げは、海外VIP顧客は前年に対して約4割増と大きく伸びたが、一般ツーリストの売り上げが約4割減となり、全体で約2割減と前年を下回った。

100万円以上の高額品の売上高は、前年の約1割増と売り上げを下支えしたという。

高島屋(2024年2月期営業収益:4661億円)
高島屋各店計は0.8%減、岡山高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は2.5%減だった。

免税売上高11.5%減、免税を除いた店頭売上高は1.2%減となっている。

店舗別売上高は、日本橋店、新宿店、玉川店、大宮店、EC店、岡山店が前年実績を超えた。

商品別売上高(同社分類)は、子供情報ホビー、スポーツ、リビング、美術が前年実績を上回っている。

大手百貨店/2月売上高うるう年の反動で高島屋0.5%減、三越伊勢丹2.3%増

流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。

メルマガ無料登録はこちら

株式会社高島屋に関する最新ニュース

一覧

月次 最新記事

一覧

百貨店(デパート)に関する最新ニュース

一覧

高島屋に関する最新ニュース

一覧

三越伊勢丹に関する最新ニュース

一覧

最新ニュース

一覧