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くら寿司/11~7月、売上高は増収も米国子会社苦戦で営業損失10億円

2021年09月13日 11:00 / 決算

くら寿司が9月10日に発表した2021年10月期第3四半期決算によると、売上高1105億7800万円(前年同期比14.7%増)、営業損失10億1000万円(前期は14億5700万円の損失)、経常利益14億1200万円(前期は9億4500万円の損失)、親会社に帰属する当期利益7億7400万円(前期は16億1400万円の損失)となった。

グループはお客と従業員の安全を第一に考え、感染拡大を防止するためのさまざまな取り組みを行った。お客からは、2011年から導入している会話による飛沫などの菌やウイルス、ほこりから寿司と皿を守る、自社特許の抗菌寿司カバー「鮮度くん」について、「カバーがあると安心」と改めて評価を得た。また、引き続き入店から退店までお客が従業員と接することなく飲食できるセルフ会計やセルフレジを備えた「スマートくら寿司」への投資を継続した。

店舗開発では、2021年4月にグローバル旗艦店第2号店となる大阪「道頓堀店」をオープンしたのに加え、7月には国内最後の未進出都道府県であった北海道に「ラソラ札幌店」をオープンするなど国内23店舗、米国6店舗、台湾6店舗の計35店舗を出店した。日本国内に加え米国、台湾とも引き続き戦略的な出店を行い、日本の食文化の発信に努めている。期末店舗数は、全て直営で556店舗(「無添蔵」4店舗、「くら天然魚市場」1店舗、米国31店舗、台湾35店舗を含む)となった。

日本国内は、緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用により、営業時間の短縮や酒類提供の制限による影響を受けるなど、厳しい事業環境が続いた。そのような状況のもと、抗菌寿司カバー「鮮度くん」や「スマートくら寿司」などの感染症対策への高い支持も得て、2021年7月には営業時間制限を受けるなか、既存店売上高が新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年7月度を上回るなど堅調な売上だった。この結果、売上高は995億300万円(14.7%増)、経常利益22億8500万円となり連結累計期間の日本における売上高は過去最高を更新した。

米国子会社(KSU)は、2021年3月以降、米国内のワクチン接種率向上と新規感染者数の減少に伴い、レストラン営業規制の緩和、解除が進んだ。8店舗を展開するテキサス州では3月から店内飲食規制が全面撤廃され、16店舗を展開するカリフォルニア州においては50%の座席使用制限付きだが店内飲食が可能になった。その後6月にはカリフォルニア州を含む多くの店舗について店内飲食規制が解除された。しかし、売上高39億2300万円(8.7%減)、経常損失9億8900万円となった。

通期は、売上高1471億6000万円(8.3%増)、営業損失25億3500万円、経常利益25億1000万円(121.0%増)、親会社に帰属する当期利益14億6900万円を見込んでいる。

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