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イオン九州/2月期過去最高の営業利益83億円、簡便・即食ニーズ対応で好調

2023年04月12日 18:28 / 決算

イオン九州が4月12日に発表した2023年2月期決算によると、営業収益4844億6600万円(前期比0.7%増)、営業利益83億3000万円(47.1%増)、経常利益88億2900万円(47.3%増)、四半期純利益46億7200万円(68.7%増)となった。

売上面では、さまざまな商品の値上げが相次ぐなか、引き続き企業努力で食品や日用品の価格維持に努め、「簡便・即食」ニーズに対応した総菜や冷凍食品の品ぞろえを拡充したことなどでレジ通過客数が増加、食品部門が好調に推移した。衣料品・住居余暇商品部門では、外出・旅行需要の回復に対応するべく、トラベル関連商品やアウトドア用品の売場を拡大したほか、ウォーキングやフィットネス関連商品、ウェルネスフードなどの品ぞろえを拡充。これらの取り組みなどで営業収益、営業利益、経常利益、四半期純利益いずれも過去最高の業績を記録した。

<柴田祐司社長>

同日行われたWEB会見で、柴田祐司社長は「食品改革については、マックスバリュとイオンの経営統合から2年経過したが、両社の良いところを取り入れながら『本気の価格』などの取り組みを推進してきた。SM改革が奏功し、中期の経営計画を前倒して進めているのが現在の状況だ。DXについては、これから事前投資をしていきながら、今年はどういう花を咲かせるかという段階に来ている。新業態ウエルシアプラスについては、今の形が今後、どういう形でお客様に受け入れられるか、どう改善していくべきかは常に考えたい。すでに6~8店舗の出店が決まりかけている。24年度には30店舗に近づけたい」と説明している。

同社とウエルシアホールディングスの2社は、2022年9月1日付で、合弁会社「イオンウエルシア九州」を設立した。新業態の開発・運営を目的として、スーパーマーケット・ドラッグストア運営に関する知見を共有。2023年4月6日にスーパー・ドラッグ融合の1号店として「ウエルシアプラス大野城若草店」をオープンし、同業態は今後3年間で50店舗体制を目指す。

DXの取り組みについては、ネットスーパーのさらなる需要拡大に対応するため、4拠点を新設して当日配送エリアを拡大したほか、受け取り専用ロッカー導入店舗を拡大するなど、利便性の向上に努めたことで利用件数は前期比5.1%増となった。ECサイト「イオン九州オンライン」では、九州各県に配置した地区商品部による商品発掘を推進し、ご当地の旬の商品に注力。外部ECサイトにおける取り組みも強化したことで、ECサイトにおける売上高は前期比25.8%増と伸長した。

「イオン九州公式アプリ」の累計ダウンロード数は、前期末時点に比べ約17万件増加し、95万件を超える規模となった。セルフレジの導入は、45店舗に新規設置。導入店舗数は累計で222店舗となった。スマートフォンで商品のバーコードをスキャンし、専用レジで会計する「レジゴー」については新たに12店舗導入し、累計29店舗。電子棚札は累計32店舗に導入しており、店舗におけるオペレーションコストの低減につなげている。

SM・DS、GMS事業の売上高は4385億6800万円。店舗面では、新たにSM業態2店舗、GMS業態1店舗を出店したほか、既存店の活性化を推進し、SM9店舗、DS2店舗、GMS8店舗をリニューアル。2月末時点の店舗数は252店舗。

食品では、九州の生産者・取引先と協力して地産地消・地産域消を推進したほか、「簡便・即食」ニーズ対応の総菜や冷凍食品拡充に注力したことで、デリカ及びフローズン部門の売上は前期比10.1%増と大幅に伸長した。物価上昇を背景とする節約志向に対応するため、「本気の価格1000品目」「50周年月間おすすめ価格」「トップバリュ」の展開を強化。対象商品の売上は前期比16.3%増となった。

衣料品・住居余暇商品では、外出や社会行事関連の需要にいち早く対応するため、キャリーケースなどのトラベル関連商品、ビューティケア商品の売場展開を強化したほか、アウトドア、ウォーキングやフィットネス関連商品、ウェルネスフードなどを拡充。新たな取り組みとして、雑貨ショップ「Smilefull_days(スマイルフルデイズ)」を「イオン福岡店」(福岡県糟屋郡粕屋町)、「イオン小郡店」(福岡県小郡市)に導入、新規顧客の獲得に努めた。

HC事業の売上高は181億8100万円。店舗面では、3月に「イオン若松SC」(福岡県北九州市)内に「ホームワイド若松店」をオープンしたほか、11月には新業態「GREEN PICNIC糸島」(福岡県糸島市)をオープン。同店では、生産者直送の多肉植物・花苗や観葉植物、雑貨やインテリア用品など室内外で花や緑を楽しめる品ぞろえに努めたほか、糸島エリアで人気のスイーツ販売など、「買う」「食べる」「遊ぶ・すごす」「地域とつながる」という4つのテーマで多目的ガーデニングプレイスづくりに取り組んだ。2月末時点の店舗数は33店舗となっている。

次期は、営業収益4985億円(2.9%増)、営業利益85億円(2.0%増)、経常利益86億円(2.6%減)、四半期純利益47億円(0.6%増)を見込んでいる。

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