イオン 決算/営業利益16.2%減、価格競争激化で粗利が悪化
2024年10月09日 21:01 / 決算
イオンが10月9日に発表した2025年2月期第2四半期(中間期)決算によると、営業収益4兆9994億3500万円(前年同期比6.1%増)、営業利益986億円(16.2%減)、経常利益898億1900万円(19.7%減)、親会社に帰属する当期利益54億8800万円(76.5%減)となった。
営業収益は4期連続で過去最高を更新した。全事業が増収だった。
一方、各段階利益で減益を計上している。第1四半期の前年差を挽回できなかった。
同日行われた決算説明会で吉田昭夫社長は、「昨期業績をけん引した小売事業が、価格強化戦略をとったため、粗利が悪化し、人件費などコスト増を吸収できなかった。売上高・客数を伸ばすことはできたが、営業総利益は低調だった。賃上げは進んでいるが、その恩恵を受けていない方の生活防衛意識は強い。
原価上昇の中で、価格競争をするという小売りにとって厳しい状況だが、事業構造の改革で下期は粗利益額の向上を目指す。トップバリュの中でもベストプライスの新商品・リニューアル、増量企画などで価格の打ち出しを強める。客数増を定着させ、年末商戦で業績を伸ばしたい」と述べた。
営業利益986億円は前年同期の過去最高1176億円に次ぐ水準だった。
事業別では、小売事業を構成するGMS(総合スーパー)事業、SM(スーパーマーケット)事業、DS(ディスカウントストア)事業、ヘルス&ウエルネス事業、国際事業が減益となっている。
国内が回復基調にある総合金融、デベロッパー、サービス・専門店事業が増益で、落ち込んだ小売業などをカバーした。
なお、純利益は、前々期韓国ミニストップ株式売却、前期中国事業の評価損という特殊要因があったため、大きく減少している。
GMS事業は、営業収益1兆7552億7600万円(2.6%増)、営業損失82億6000万円(前年同期より117億7800万円の減益)。
SM事業は、営業収益1兆4998億1300万円(10.8%増)、営業利益103億4700万円(前年同期より61億3600万円の減益)。
ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益6574億1800万円(7.1%増)、営業利益184億9700万円(前年同期より57億6300万円の減益)。
総合金融事業は、営業収益2552億9600万円(7.4%増)、営業利益274億8900万円(前年同期より58億6600万円の増益)。
ディベロッパー事業は、営業収益2467億9600万円(5.8%増)、営業利益273億85百万円(前年同期より22億9800万円の増益)。
サービス・専門店事業は、営業収益3668億1500万円(1.1%増)、営業利益141億9300万円(前年同期より25億800万円の増益)。
国際事業は、営業収益2738億9600万円(7.5%増)、営業利益49億5300万円(前年同期より8億6500万円の減益)。
通期は、営業収益10兆円(4.7%増)、営業利益2700億円(7.6%増)、経常利益2600億円(9.5%増)、親会社に帰属する当期利益460億円(2.9%増)を見込んでいる。
取材・執筆 鹿野島智子
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