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スキャンディット/スキャン技術でオーケーネットスーパーのスタッフ負担削減

2021年12月21日 16:20 / 流通最前線テクノロジーズ

ネットスーパーのピッキングミスがゼロに、作業時間も短縮

田中氏がスキャンディットを知ったのはネット広告がきっかけだったという。「どんどん離れていってもQRコードが瞬間的に読めるという動画広告で、衝撃的でした」と田中氏は振り返る。そのスキャン精度を知り、これはスタッフの支援に使えると考えた。

「店舗業務はスキャンをする回数が非常に多いです。中には包装の関係で読みにくいバーコードもありますし、読めたとしてもスキャンに2秒、3秒とかかっては、担当者のストレスになります。スキャンディットのスキャンは一瞬です。スキャンアプリを搭載したスマートフォンのカメラを向けた瞬間にピッと読んでくれるのが気持ちいいです。他のバーコードリーダーのアプリも試しましたが、スキャンディットが断トツ、比較の余地がないくらいにスピードと精度が違いました」と田中氏は語る。

<読み取り困難なバーコードも迅速にスキャン>

<スピードと精度が採用の決め手と田中氏>
スピードと精度が採用の決め手とオーケー田中氏

スキャンディットでは、スキャンエンジンを独自に開発し、バーコードを検知するスピードやデコード(バーコードから情報を読み込む)速度を高めている。また機械学習を活用して、そのスピード・精度を高め続けている。

オーケーは2021年2月、スキャンディットのバーコードスキャン技術を採用し、店舗スタッフの負荷軽減とオペレーションの高度化を目指すことを発表。その第一弾として、10月にオープンしたネットスーパーの商品ピッキング業務効率化のために、スキャンディットが提供する独自の画像認識技術と機械学習を駆使したプラットホーム「Scandit Barcode Scanner SDK」と「MatrixScan AR」を搭載したスマートフォンアプリを導入した。

ピッキングアプリは、マインドアイルが開発。検証を経て、2店舗のネットスーパーに導入された。「導入したときには、ピッキングの担当者もスキャンの速さと精度に驚いていました。こんなに速いのかと」と田中氏は言う。逆に精度が高すぎて、後ろの商品のバーコードまで認識してしまうようなケースもあり、そうした部分は調整を行った。

導入しての効果としては、紙のリストを使ったピッキングでは1商品あたり5秒かかっていたところ、アプリでは2秒に短縮され、ピッキングミスも6%がほぼ0%にまで削減された。

「実際の作業としてはピッキングの担当者がピッキングを行った後に、パッキングの担当者が間違いないかをクロスチェックしています。そういう意味ではミスがなくなったことがとても大きいです」と田中氏。ピッキング時に間違いを見付けた場合は商品をピッキングし直せば良いが、パッキング時の場合にはピッキング担当者に戻してからピッキングをし直す必要がある。また万一ピッキングミスがあると責任者がおわびに行かねばならず、そうしたことが発生しないことが一番だという。

ネットスーパーにピッキングアプリを導入して2カ月弱ほどの期間ではあるが、実際にピッキングのミスは発生していない。オーケーのネットスーパーは2021年10月に2店舗がオープン。今後もピッキングなどの作業スペースや人員が確保できる店舗から順次拡大していく予定だ。

店舗スタッフのストレスを解消することが大切

オーケーではネットスーパーのピッキング業務のほかにも、スキャンディットを使った店舗スタッフ負荷軽減の取り組みを進めている。その一つが先ほど紹介した競合対抗やオネストカードの管理での活用となる。

競合対抗やオネストカードはしっかりと管理し、変更がある場合には素早くPOP(プライスタグ)の差し替えを実施し、もちろん間違いがあってはならない。しかし、商品数は膨大で、しかも値段やコメント、オネストカードの内容は店舗によって異なる。

「総額表示の義務化にともなって全店でPOPを変更する際に、POPにQRコードを入れてもらうことにしました。QRコードに現在表示している内容を埋め込む仕組みを使い、スキャンすればその内容が正しいかどうかをシステムに確認できるようにしています。これまでは目視で確認していたものを大幅に効率化できますし、チェック漏れも発生しません」と田中氏。POPと基幹システムをQRコードで連携することでさらにさまざまなことができるようになると話す。2022年からは各店舗にスマートデバイスを配布して、本格的なスキャンディット活用を進めていく。

<2022年もオーケー社をサポートしていくと関根氏>
2022年もオーケー社をサポートしていくとスキャンディット関根氏

スキャンディットの関根氏は、「スキャンディットを使うことでさまざまな業務の効率化ができます。これからも積極的にオーケー社をサポートさせていただければと思います」と意気込む。

最後に田中氏は、「まずはPOPの正誤チェックを2022年から、本格的に各店舗に導入を進めていきます。ピッキングにしても、POPの正誤チェックにしても、担当者からすると間違いは許されないというストレスを感じる業務です。そうしたストレスを無くしていくことが大切ですので、スキャンディットを使って店舗スタッフ負荷の軽減やオペレーションの高度化を進めていきます」と今後の展望を語った。

<関根氏、田中氏>
スキャンディット関根氏、オーケー田中氏

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