キリンビール/布施社長「2019年は、小売業の新規PBはやらない」
2019年01月10日 15:40 / 商品
キリンビールは1月9日、小売業が展開するプライベートブランド(PB)商品への対応として、2019年は新たなPB商品を発売しない方針を明らかにした。
同日、都内で開いた2019年事業方針発表会で、キリンビールの布施孝之社長は、「2018年はPBについて大きく舵を切って、戦略としてPB市場に参入した。PBは戦略なので、ここでさらす必要はないが、2019年は新たなPBはやらない。これ以上、世の中のPBをキリンが取っていくことはしない」と述べた。
2018年のPBの成果については、「PB市場に参入したのは、PBをやることでナショナルブランド(NB)を拡大することが最大の目的だった。昨年は当初のもくろみどおり、PBをやった企業内でのNBシェアは上がる結果となった」と語った。
キリンビールは、ファミリーマートのPB商品として2018年4月に発売された、新ジャンル「CLEAR MALT クリアモルト」を製造している。
また、イオングループのPB商品として同年6月に発売された、「トップバリュ バーリアル」シリーズを製造している。
ローソンのPB商品として同年7月に発売された、「ローソンセレクト ゴールドマスター」シリーズを製造している。
2018年は、イオングループがスーパーマーケット事業の再編を発表し、アークス・バローホールディングス・リテールパートナーズの地方有力スーパーが提携を発表するなど食品スーパーの再編が進んでいる。
食品スーパーの再編の影響について、布施社長は、「ECサイトやドラッグストアとの競争激化もあり、食品スーパーが生き残りをかけてM&Aや再編をする動きが起きている。そのため、コンビニも含めた業態ごとのトレンドに注意を払っている。再編の過程で、新たなPBの要請も出てくると思うが、現時点では、PBの拡大は想定していない」と語った。
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