食品主要195社/8月は642品目を値上げ、原材料高のほか物流費増が響く

2024年07月31日 14:48 / 商品

帝国データバンクが7月31日発表した8月の「食品主要195社価格改定動向調査」によると、食品の値上げは642品目となることがわかった。

<8月642品目を値上げ>
8月642品目を値上げ

8月の値上げは前年同月(1197品目)に比べて555品目・46.4%減と、8カ月連続で前年同月を下回った。4カ月連続で1000品目以下の水準にとどまり、値上げ傾向は落ち着いている。

カテゴリー別では「加工食品」が、全食品分野で最も多い319品目だった。

輸入小麦で輸送費の上昇などを背景に、大手各社で乾麺、ソースなど「パスタ製品」で一斉値上げが目立ったほか、家庭用ミックス粉など「原材料」(52品目)も値上げとなる。

「菓子」(128品目)は、カカオ豆の価格高騰を背景に、「チョコレート製品」の値上げが中心。チョコやレーズンの価格上昇で一部菓子パン製品も値上げする。

<「物流費」の上昇による値上げも増加>
「物流費」の上昇による

2024年通年の値上げ品目数(予定含む)は11月までの累計で1万1617品目となり、年間の平均値上げ率は17%。

2024年の値上げ要因では、「物流費」の上昇による影響が広がりをみせている。2024年(1~11月)に予定される値上げ品目のうち、「物流費」要因の値上げが品目数ベースで68.2%となり、前年の同時期(57.5%)に比べて上昇した。

急速に進んだ円安ドル高による輸入コスト増を背景に、「円安」要因の値上げは 30.2%に達した。

要因として最も大きい「原材料高」は92.4%だった。特に、「チョコレート」を使用する幅広い食品で大幅に価格を引き上げている。

同社は、今後の値上げについて「実質賃金の伸び悩みによる購買意欲の低下を背景に、値上げ後の商品を買い控えるといった消費者の値上げ疲れ、PB製品など低価格の代替品志向といった動きが強まっている。このため、近時は本体価格の引き上げから内容量の減量などによる据え置き・維持へのシフトが食料品でも目立ちはじめており、値上げの勢いは後退感もみられる。10月の食品値上げ予定品目数が今年4月以来となる2000品目台で推移している。資材価格の高騰が続くビール類やRTD飲料、日本酒など酒類製品で値上げが実施される場合、2023年10月並みとなる4000品目前後に到達する可能性がある。24年通年では、10月に値上げラッシュを迎えた後は11・12月ともに総じて落ち着いた推移が想定され、1万5000品目前後での着地が予想される」と分析している。

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