セブン&アイ/低価格PB「セブン・ザ・プライス」20品目発売、売上20%増目指す
2025年03月31日 17:07 / 商品
セブン&アイ・ホールディングスは3月31日、グループの低価格プライベートブランド(PB)「セブン・ザ・プライス」から新商品20品目を発売した。イトーヨーカドー、ヨーク、ヨークベニマルの約450店舗で順次販売を始める。
今回新たに投入したアイテムは「3種の割れせんべい」90g(税込105円)や「きんぴらごぼう」300g(429円)、「餃子」20個入(321円)、「旨辛麺」66g(105円)、「だしの素」750g(645円)など。
価格を抑えるために、パッケージデザインの色の種類を減らしたり物流を効率化したりするなどの工夫を行った。
3月31日に開催した新商品発表会の場で、イトーヨーカ堂フード&ドラッグ事業部の土居仁副事業部長は価格を抑える工夫として3つのポイントを挙げた。
「1つ目は『パッケージ』。今までは4色、5色使うとコストアップになっていた。それを3色しか使わないというルールの中で、10銭、20銭、1円といったコストダウンを図って価格に転嫁している。2つ目は『物流と生産の効率』を上げ、これを価格に還元するという手法を取っている。物流ではセンターを含めて1カ所もしくは2カ所に納品してもらい、そこから先は我々が物流を組む。そういう形でメーカーに協力いただいている。3つ目は『シンプルな商品』を心がけた。商品開発でのキーワードは引き算。今までのあるべき機能をシンプルな設計にしてコストを見直した」(土居氏)
例えば上記の「3種の割れせんべい」では、製造過程で形状や割れの選別工程を省いて製造効率を高めた。「餃子」はキャベツの端材や餃子の皮の生産時に発生する残皮を活用して低価格を実現。「旨辛麺」では具材を最小限に抑え、スープと麺に重点を置くことでコストを削減した。
消費者の節約意識が高まる中、価格を抑えた「セブン・ザ・プライス」の売上は拡大している。2024年度は、低価格路線が消費者に響いたことで前年度比2倍に伸長。2025年度は20%増を目指す。
また、イトーヨーカ堂ではこれまで松竹梅のうち日常使いの「竹」の商品に注力してきたが、2025年度は二極化への対応として高価格帯の「松」と低価格帯の「梅」の強化を図る。
今回の「セブン・ザ・プライス」の拡充は「梅」の強化の一環。2024年度末(2025年2月末)時点で、「セブン・ザ・プライス」222アイテムを投入しているが、2025年度は購買頻度の高い商品を中心に約300アイテムに拡充する予定。
「松」の商品群にあたるPB「セブンプレミアム」も好調で、2024年度の売上高は過去最高を記録している。
その一方で、これまで主力だった「竹」のラインアップは絞り込んでいく。土居氏は「限りある売り場の中で、竹については現状の商品ラインアップの取捨選択は進めていき、若干のアイテムの絞り込みを実行していく」と今後の方針を述べた。
取材・執筆 比木暁
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