DNP/センサーで購買行動分析「AIで接客する商品陳列什器」開発
2019年03月11日 14:30 / IT・システム
大日本印刷は3月6日、NTTコミュニケーションズ(NTTCom)の協力のもと、センサーによって来店客の行動から関心を感知・分析し、プロジェクションマッピングの映像での商品説明や、AI(人工知能)による音声対話での接客を行う商品陳列什器型のSP(セールスプロモーション)ツールを開発したと発表した。
商品に合わせて棚の位置や形状をカスタマイズできるため、さまざまな形態の店舗に設置でき、店舗における接客の省人化・無人化を支援する次世代SPツールとして、家電・生活雑貨・化粧品等を扱う流通・小売の店舗での今春の試験導入を目指す。
労働人口の減少などによって店舗の省人化・無人化が求められるなか、DNPは流通・小売企業の販促活動の支援に取り組み、AIが商品の紹介や顧客の質問への回答等を行う次世代SPツールの開発などを推進している。
その一環として今回、商品説明や接客手法に拡張性を持たせ、多様な売り場に設置できるよう、什器の形態も変えられる次世代SPツールを開発した。
什器に実装したセンサーとカメラにより、什器の棚(平面)のどの位置に商品があっても、来店客がどのような商品を手に取ったかなどの行動を把握するとともに、滞在時間や外見から想定される性別・年齢などのデータを、ネットワーク上のサーバーに送信できる。
そのデータの分析に基づいて、AIによる音声での対話式の接客や、フロントプロジェクションマッピングによる映像の表示などを行い、最適な商品情報を提供して販促効果を高める。
AIにはNTTコミュニケーションズの対話型自然言語解析AIエンジンCommunication Engine 「COTOHAR Virtual Assistant」を採用した。
什器の棚などは脱着可能で、売り場や商品に合わせて、さまざまな形状にカスタマイズすることができる。
什器を白くすれば商品情報等の映像を投影することもできるため、新たに紙のPOPなどを取り付ける必要がない。
什器の上部にプロジェクターを搭載しており、価格等を表示する什器正面のプライスカードを設置する部分や商品自体にプロジェクションマッピングで動画や静止画を投影できる。
従来のようにディスプレーで映像を表示する場合は、画面サイズに制約があるが、プロジェクションマッピングは多様な大きさで映像を表示できるため、店頭での訴求力の向上につながる。
什器の前に大きなパネルを設置して、デジタルサイネージのように使用することもできるという。
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