JR東日本/AIきき酒・パスタロボット・ウルトラ自販機「体験イベント」
2019年12月04日 19:53 / IT・システム
JR東日本スタートアップは12月4日~9日、JR大宮駅西口イベントスペースで、スタートアップ企業が作り上げた新たなサービスを体験できるイベント「STARTUP_STATION」を開催する。開催時間は11時~18時。
JR東日本グループのビジネス創造活動「JR東日本スタートアッププログラム2019」で採択したベンチャー企業と作り上げる新しいサービスや、ビジネスのデモンストレーションを体験できるイベント。
今年は、「MIRAI SAKE COMPANYのAI味覚判定を活用した日本酒レコメンドサービスによる新しい観光提案」「QBIT Roboticsの最先端AI技術を使った無人ロボットパスタカフェ」「ブイシンクのウルトラ自販機によるエキナカでの無人駅弁・スイーツ販売」「ブランテックインターナショナルの瞬間凍結新技術による地域鮮魚の首都圏流通拡大」の4つの新しい技術やサービスを体験できる。
JR東日本スタートアップの柴田裕社長は、「スタートアップステーションは、JR東日本とベンチャー企業が新しい事業・サービスを作り上げる取り組みの一環で、今回で3回目となる。2019年は262件の応募があり、うち21社・21件の事業プランを採択した。ベンチャー企業にとって、JR東日本が持つ駅や商業施設などリアルなアセットネットワークを使い実証実験できる魅力がある」。
「大宮駅は1日乗降客数鵜が50万人を超え、JR東日本の中でも第8位の乗降客数を誇る駅となっている。実際に、お客さんに新たなサービスを体験してもらい、そこで課題を見つけて解決する、実用化に向けた本気のトライアルの場だと考えている」とあいさつした。
■AIが味覚を判定し最適な日本酒を提案
MIRAI SAKE COMPANYは、AI味覚判定を活用した日本酒レコメンドサービスによる新しい観光提案を実施する。
1回1000円で、10種類の基準となる酒を試飲し、ウェブアプリで味覚を判定する。今回は、新潟県の地酒12種類のうち、1種類を味覚判定に基づいて提供する。
MIRAI SAKE COMPANYはこれまで、人工知能を用いた味覚判定サービス「YUMMY SAKE」と連携し、日本酒を提供する未来型の日本酒セレクトショップ「未来日本酒店」を展開している。
今回は、駅の観光案内の活性化と地域活性化に役立つコンテンツの一つとして、AI味覚判定を活用した日本酒レコメンドサービスの活用方法を探る。
来年、2月中旬を目途に、新潟駅の観光案内所に、「YUMMY SAKE STAND」を設置。今回は、自分の好みに合った酒を提供する飲食店や自分の好みの酒を製造する酒蔵の情報とも連携を図る。
これまでは、味覚判定をして、その場で日本酒を提供してサービスが完結していたが、今回は、味覚判定を観光案内で行い、実際に街中の飲食店や酒蔵を訪れるきっかけを提供することで、地域活性化も目指す。
■AIが接客する無人ロボットパスタカフェ
QBIT Roboticsは、ロボットの制御プログラムを専門とする会社で、既存のロボットや設備を組み合わせて新しいサービスを開発した。
これまでは、コーヒーを入れる接客ロボットとして展開していたが、今回、新たにパスタの調理能力を付加した。新たに導入した「触覚ハンド」の実証実験を行う。
これまでと同様に、AIがお客との距離、年齢、性別、表情を分析して、最適な接客用語やタブレット端末による表情表示で接客をする。
例えば、ロボットから離れた位置に人がいる場合は、「コーヒーやパスタはいかがですか」といった呼び込みをする。お客が近づくと、「何か注文メニューはありますか」などと接客する。年齢、性別、表情を読み取り、接客用語も変える。
接客後のお客の表情を読み取り、笑顔であれば成功、渋い表情の場合は不適切な接客であったと判断し、AIが接客を学習する。
今回は、ショートパスタを税込100円で販売する。ミートソース、カルボナーラソース、ロボットにお任せの3つのメニューを提供する。
今後、JR東日本の社内食堂での実験導入などを検討しているという。
■ケーキや駅弁を販売するウルトラ自販機
ブイシンクが開発したウルトラ自販機は、これまで自動販売機では販売できなかった崩れやすいケーキやお弁当などを販売できるのが特徴。これまでの自販機は、商品を落下させて販売していたが、ウルトラ自販機は、商品を取り出し口まで、水平に運び出すことができる。
エキナカ店舗でも人手不足から販売員の確保が困難となっており、営業時間の短縮などを余儀なくされることもあるという。駅弁販売やケーキといった商品でも自動販売機で販売することで、人手不足の解決を目指す。
ウルトラ自販機は、マイナス5度から25度までの温度帯に対応した自動販売機で、最大で幅1m、高さ25cm、奥行25cmまでの商品に対応する。
キャッシュレス決済に対応し、免税手続きにも自動で対応する。現在、日本語、英語、中国語(2種)、韓国語の5つの言語に対応しており、今後、対応言語を10言語に拡大する予定だ。
来春には、上野駅で試験導入する予定で、東京オリンピックに向けて増加が見込まれる訪日外国人観光客のおみやげ販売などの活躍が期待されている。
■約20秒の瞬間凍結を実演
ブランテックインターナショナルは、瞬間凍結新技術による地域鮮魚の首都圏流通拡大をテーマに、瞬間凍結新技術で冷凍した魚介類を販売する。
マイナス21.3度の高濃度塩水を活用した「生き凍め」を可能にした瞬間凍結技術を実演する。いけすに活魚のアジとサバを用意し、その場で魚を生き凍めにする実演を行う。
今回は、「石川の甘えび」8尾1パック税込1000円、「ボイルむきセイコガニ」1杯2000円、「広島地御前生牡蠣 健牡蠣」20粒程度(約500g)1500円、「気仙沼メカジキ(中とろ)」1柵(約250g)1500円を販売する。
ブランテックインターナショナルは、瞬間凍結新技術は新しい技術で、新技術を使って冷凍された食材の味を知らない人が多い。今回の出店で、1人でも多くの人に、新技術をつかた冷凍食品の味わいを知ってほしいという。
今後、JR東日本グループの紀ノ国屋やホテルなどで、瞬間凍結新技術を活用した商品の販売やメニューを提供する予定だ。
■STARTUP_STATION概要
日時:12月4日~9日11時~18時 ※4日のみ14時オープン
会場:大宮駅西口イベントスペース(埼玉県さいたま市大宮区錦町)
主催:JR東日本スタートアップ
入場:無料
http://jrestartup.co.jp/
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