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イオン/全業態90社・約1000人が生成AIを利用

2024年02月16日 12:40 / IT・システム

エクサウィザーズのグループ会社であるExa Enterprise AIは2月13日、法人向けChatGPTサービス「exaBase 生成AI powered by GPT-4」を、イオンに提供したと発表した。

イオンのデジタル人材育成プロジェクトである「イオンデジタルアカデミー」の活動の一環として、イオングループの全業態90社、約1000人で生成AIの利用を開始したもの。それぞれの利用者が生成AIを利用して、各事業で効果的な活用方法を探求し、事業課題の解決に寄与する効果を期待している。

<生成AIを導入>

イオンデジタルアカデミーは、グループ全体がデジタルの力で顧客満足を高め、働き方をよりよくするため、誰もが当たり前にデジタルに触れて活用する文化の醸成を目指して活動している。デジタルに興味を持ってもらうための「気づく場」、楽しみながらデジタルを学べる「学ぶ場」、そしてデジタル技術を使って新しいものを創造する「創る場」をテーマにさまざまな取り組みを行っている。

これまでイオングループ各社向けにイオンデジタルアカデミーとして、生成AIに関する勉強会などを実施したところ、生成AIを利用してみたいという声が多く寄せられた。

また、同時にセキュリティの懸念に関する声も多く寄せられた。これらの要望と懸念事項を受け、グループ内の機能会社やデータ専門チームと複数案を検討し、セキュアな生成AIの環境であるExa Enterprise AIの法人向けChatGPTサービス「exaBase 生成AI powered by GPT-4」(exaBase 生成AI)をベースに「AEON DIGIACAお試し生成AIサービス」として、グループ各社の利用希望者に対して提供を開始した。

生成AIを試用しながら、業務の生産性向上や事業に役立つ有効な生成AIの活用方針の創出などにつなげることを目的としている。

<AEON DIGIACAお試し生成AIサービス利用画面>

現在、持ち株会社のイオンのほか、総合スーパー(GMS)、スーパーマーケット(SM)、ディスカウントストア(DS)、サービス、専門店、ヘルスケア&ウェルネス(H&W)、金融、機能など全業態の90社約1000人が利用している。

<具体的な利用状況>

AIの利用促進に向けた施策として、イオンデジタルアカデミーでは、社内ポータルサイトを運用しており、デジタルに関する取り組み事例や定期的に開催するウェビナー情報、PowerPointやExcelの便利な技を紹介するTips動画など、各種コンテンツを配信している。今回、AEON DIGIACAお試し生成AIサービスをさらに活性化させるため、社内ポータルサイト内に特設ページを開設した。

生成AIの業界内外における動向や勉強会の動画なども取り扱っており、生成AIサービス利用者が学べる環境を整備した。また、個々での活用だけでなく、利用者同士が教え合い、助け合いながらスキルを向上させる組織文化の醸成を目指すため、生成AIサービスの活用に関する情報交換の場として、ポータルサイト内に「コミュニケーション掲示板」も設置した。最新の生成AI技術の動向、便利なプロンプトや失敗事例などについて、情報交換を実施している。実際、この掲示板で交換したプロンプトを基に、生成AIから業務で役に立つ回答を得られたという報告が複数あり、効果が出始めているという。

<イオンデジタルアカデミー独自のコミュニケーション掲示板>

また、利用者が安心・安全にAIを利用するために、AEON DIGIACAお試し生成AIサービス利用ルールを策定。入出力のデータに関する注意事項(個人情報・機密情報の入力禁止、正確性の確認)や著作権問題、商標権、意匠権侵害、名誉棄損などに関する内容を記載している。今回の生成AIサービス利用希望者は、事前にAEON DIGIACAお試し生成AIサービスの利用ルールの確認を必須とし、ルールを徹底している。利用ルールは、今後の法改正や利用状況も加味して随時、更新する予定だ。

さらに、利用者のAIリテラシーを向上させるため、2024年1月からレベル別(初級・中級・上級)の勉強会を定期的に開催している。生成AIの最新技術動向やグループ内外の事例を共有し、実際にAEON DIGIACAお試し生成AIサービスを使って、学びを深めるプログラムを提供している。今後、業務課題の解決に向けた伴走企画やハッカソンなどのイベントも検討しており、様々なプログラムを通じて、業務生産性の向上や新規ビジネス創出などにつなげていくことを目指す。

現在、社内データを基に対話・生成ができるexaBase 生成AIの「データ連携機能」を一部の利用者に絞って、利用環境の提供を開始した。利用用途や回答の質などの課題を洗い出し、改善を図りながら、蓄積した社内の知識を利用した生成AIの活用促進も視野に入れている。

イオンのICT推進担当の吉田俊介氏、ICT企画チームの江頭陽介氏は、「生成AIは生産性向上や新規ビジネス創出における有効的なツールだと認識しており、試用環境を提供する際、複数案を検討し11したが、セキュアな環境かつスピーディに展開できるメリットがあるexaBase生成AIを選定した。現在も定期的に機能が追加されており、今後の拡充にも期待している。イオングループ各社の各業務など、様々なシーンで生成AIを使っていきたい」と語っている。

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