大手百貨店/3月は三越伊勢丹2.0%減、4社は増収
2018年04月02日 19:12 / 月次
三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、高島屋、エイチ・ツー・オーリテイリング、そごう・西武は4月2日、3月の売上速報を発表した。
最大手の三越伊勢丹の国内百貨店事業の売上高は、店舗閉鎖の影響で2.0%減となったが、その他の大手百貨店は増収を確保した。
J.フロントリテイリング4.2%増、高島屋2.8%増、エイチ・ツー・オー5.1%増、そごう・西武2.2%増となった。
各社とも気温の上昇を受け、春物衣料の売上が好調だった。
■三越伊勢丹(2017年3月期売上高:1兆2534億円)
国内百貨店売上高は、2.0%減となった。内訳は、三越伊勢丹3.7%減、国内グループ百貨店0.6%増だった。
伊勢丹新宿本店店頭は0.6%減、三越日本橋本店店頭は0.1%減、三越銀座店は5.7%増となった。
閉店した千葉店、多摩センター店を除く既存店売上高は、三越伊勢丹1.4%増、国内グループ百貨店1.1%増だった。
大都市圏店舗を中心に高額品の動きが好調に推移したことや、気温が上がってきた月後半に春物衣料の売上が上向いたこともあり、国内百貨店の既存店売上は8カ月連続、首都圏の三越伊勢丹の既存店売上も10カ月連続で前年実績を上回った。
基幹店では、ラグジュアリーブランドなどの高額品が引き続き好調だったほか、月後半には気温の上昇を受けて、春物衣料の実需も堅調に推移した。伊勢丹松戸店は3月21日の営業終了まで、ご愛顧感謝ファイナルフェスタを実施し大きく売上を伸ばした。
全国的に免税売上は好調。特に化粧品やラグジュアリーブランドの買上客数の伸長が顕著だった。
■J.フロントリテイリング(2017年2月期売上高:1兆1085億円)
大丸松坂屋百貨店の売上高は4.5%増、博多大丸、下関大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の売上高は4.2%増となった。
3月度の百貨店事業の売上高は、気温が平年より高く推移したことにより、スプリングコート、ブラウスなど春物ファッションの動きが良かったほか、ホワイトデーの催事も好調に推移し、化粧品、ラグジュアリーブランド、美術宝飾品も売上を伸ばした。
大丸松坂屋百貨店合計は13カ月連続、百貨店事業合計は12カ月連続で前年実績を上回った。大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は対前年70%増(客数62%増、客単価5%増)となった。
店舗別では、東京店が19カ月連続、札幌店が16カ月連続、心斎橋店が15カ月連続で対前年プラスとなるなど、直営14店中10店と関係百貨店3店すべてが前年実績を上回った。
■高島屋(2017年2月期売上高:9236億円)
高島屋単体13店の売上高は2.8%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、米子高島屋、高崎高島屋を含めた17店の売上高は2.7%増となった。
3月度の店頭売上は、気温の上昇にともない紳士・婦人とも春物衣料が好調に推移したほか、高額品・免税売上が引き続き伸長し、前年実績を上回った。免税売上は22.0%増となった。
店舗別では、大型店が大阪店・京都店・横浜店・新宿店は前年を上回りましたが、日本橋店は店内の改装影響などにより前年に届かなかった。
郊外地方店では、堺店・大宮店・柏店・高崎店が前年を上回った。泉北店・立川店・米子店は前年同月比で売場面積が縮小している。
商品別売上は、国内・免税とも好調な特選衣料雑貨(自社分類による17店ベース、以下同じ)・宝飾品が大きく売上を伸ばしたほか、紳士服・婦人服・婦人雑貨・スポーツが前年比プラスとなった。一方で、紳士雑貨・食料品・リビングなどが前年を下回った。
■H2O(2017年3月期売上高:9012億円)
百貨店事業の全社計の売上高は、5.1%増となった。内訳は阪急本店9.7%増、阪神本店0.6%減、支店計0.3%増。全店売上高は16か月連続で前年実績を上回った。
閉店した堺 北花田阪急を除く既存店売上高は7.0%増だった。
婦人ファッションは、気温の上昇とともにスプリングコートやジャケットなど春物のアウターがよく動いた。寒暖の差が激しいため、体感温度の調節がしやすいスカーフや帽子などの服飾品も好調に推移した。
インバウンド(6割増)は、一般品、消耗品ともに好調継続な上、花見シーズンの前倒しによる来店増の影響もあり高伸した。
都市型店舗や、昨春の改装でライフスタイル提案売場を導入した西宮阪急(5%増)は、食品に加えファッションも伸長した。
昨秋に改装した博多阪急(12%増)は、「ハレ」のマーケットに対する反応がよく、広域から集客し、好調を継続した。
■そごう・西武(2017年2月期売上高:7479億円)
そごう・西武15店の売上高は2.2%増、西武池袋本店は3.3%増となった。
婦人雑貨、紳士服、高級雑貨が、けん引し、8カ月連続で前年越えとなった。
婦人雑貨は化粧品が続伸し、紳士服は春物が堅調だった。高級雑貨は高額時計や宝飾、美術が好調に推移した。
食品は好天に恵まれ、花見需要が高まった総菜が好調を維持した。
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