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コンビニ/3月は全社前年割れ、加工食品など在宅需要伸長も客数減

2020年04月13日 15:50 / 月次

コンビニエンスストア各社が発表した3月の営業実績によると、既存店売上高の前年同月比はセブン-イレブン3.2%減、ファミリーマート7.6%減、ローソン5.2%減、ミニストップ2.1%減となり、大手4社は前年割れとなった。

ポプラ10.9%減、ニューデイズ26.1%減で、駅ナカ出店が中心のニューデイズは、客数が25.0%減となり、新型コロナウイルス感染症対策に伴う外出自粛やテレワークの推進の影響を最も受けた。

<ニューデイズ>
ニューデイズ

客数は、セブン-イレブン7.1%減、ファミリーマート10.1%減、ローソン7.7%減、ミニストップ4.6%減となった。

客単価は、セブン-イレブン4.2%増、ファミリーマート2.5%増、ローソン2.7%増、ミニストップ2.6%増となった。

各社とも客数は、テレワーク導入や臨時休校による外出機会の減少により減少した。一方で、客単価は、新型コロナウィルスの感染拡大による、食品等の買いだめ傾向が高まり、日配食品、冷凍食品、加工食品などで、自宅で過ごす人が増えたことや、保存がしやすい商品特性などから需要が高まり、前年を上回った。

■セブン-イレブン(2020年2月期:チェーン全店売上高4兆8988億7200万円)
既存店売上高は、前年同月比3.2%減、客数7.1%減、客単価4.2%増。

チェーン全店売上高3.2%減、店舗数は2万887店。

既存店の売上高は6カ月ぶりで前年割れとなった。客数は6カ月連続前年割れとなった。客単価は6カ月連続プラスだった。

■ファミリーマート(2020年2月期:チェーン全店売上高2兆9650億5200万円)
既存店日商7.6%減、客数10.1%減、客単価2.5%増。全店売上高7.5%減となった。

単体では、出店11店、閉店24店、純減13店、合計1万5673店。

エリアフランチャイズは、沖縄326店、南九州393店、JR九州リテール205店、合計924店で、国内合計1万6597店だった。

新型コロナウィルスの感染拡大により、食品等の買いだめ傾向が高まり、「お母さん食堂」のパウチ惣菜や、冷凍食品、加工食品など日持ちする商品の売上が増加したほか、買い足し需要として玉子、豆腐など日配品の売上が伸長し、客単価は前年を上回った。

一方で、テレワーク導入や臨時休校による外出機会の減少により、特に平日の夜間および週末の客数に影響を及ぼし、中食全体の売上は前年を下回った。

惣菜は、「お母さん食堂」シリーズ2個セット購入で30円引となる「夜ファミマ」の実施や 、FamiPay決済でのボーナス付与の販促策も好調で、前年をクリアした。

冷凍食品は、「お母さん食堂」シリーズの中華総菜やおかず・おつまみなどが好調で前年クリアした。

■ローソン(2020年2月期:チェーン全店売上高2兆5069億7000万円)
既存店売上高(チケット・ギフトカード除く)5.2%減、客数7.7%減、客単価2.7%増。

ローソン単体の全店売上高は2049億1600万円(6.7%減)、客数697人、客単価689円。平均日販は48万円。

国内では、出店33店、閉店は純粋49、置換3、純減19店だった。

3月末時点のローソングループ国内総店舗数1万4425店のうち、ナチュラルローソンは144店、ローソンストア100は706店。

ローソンストア100は、既存店売上高4.3%増、客数2.9%減、客単価7.4%増となった。出店0、閉店36だった。

3月度は、新型コロナウイルス感染症が国内においても拡がり、学校の一斉休校やイベントの自粛、企業におけるテレワークの取り組みが広がるなど、社会、生活に大きな影響があった。そのため、お客の来店動向や商品販売動向にも影響が出た。

デザートカテゴリーは、3月に発売した新感覚スイーツ「パリとろ-パリとろブリュレ-」や「ふわしゅわ-ふわしゅわスフレ-」などが好評を博し、前年を大幅に上回った。

日配食品、冷凍食品、加工食品などのカテゴリーは、自宅で過ごす人が増えたことや、保存がしやすい商品特性などから需要が高まり、前年を上回った。衛生用品や紙製品についても2月に続き前年を大きく上回り、一部商品の供給が不足することがあった。

たばこの売上は、既存店売上高前年比を0.5%程度押し下げる要因となった。

ローソンストア100については、新型コロナウイルスの感染症拡大に伴う生活防衛の意識や、スーパーマーケットの代替としての需要が高まり、即席麺、冷凍食品、乾麺・乾物・米・レトルトなどの素材食品の他、調味料、デザートなどが前年を上回り、3月度の既存店売上高は4.3%増(客数2.9%増、客単価7.4%増)となった。また、成城石井事業においても同様に需要が高まり、既存店売上高前年比は0.7%増となった。

一方で、エンタテイメント関連事業では、コンサートなどの興行の中止や延期が相次ぎ、また、映画作品の公開延期や劇場の休館・時短営業などにより、観客動員に影響が出た。

国内ローソン事業(ローソンおよびナチュラルローソン)の既存店売上高5.8%減だった。

客層拡大に向けた取り組みとして、ドラえもん映画40作品 スマホスタンプラリー、ドラゴンクエストXキャンペーンを実施した。また、リラックマたまるよスタンプ(3月3日~6月1日)を継続した。

新型コロナウイルス感染拡大の防止のために、「ローソンに今できる事は何か」を考え、学童保育施設へのおにぎり無償配布(延べ7163施設、30万7332人、58万4983個)、牛乳の消費支援やお客の健康サポートを目的とした「ホットミルク」半額販売を実施した。また、一斉休校により自宅待機中の子どもを応援する「おえかきローソン」、「おさんぽローソン」などを実施した。なお、ローソン店舗では、新型コロナウイルス感染防止対策として、手洗い・うがいの励行、アルコール消毒の徹底やマスクの着用に取り組んでいる。

■ミニストップ(2020年2月期:チェーン全店売上高3140億200万円)
既存店1店1日当たり売上高は40万1000円(2.1%減)、客数694人(4.6%減)、客単価577円(2.6%増)。

全店1店1日当たり売上高は40万円(0.7%増)。全店売上高は8.8%減となった。

出店6店、閉店11店、期末店舗数は1992店。

コンビニエンスストア商品の既存店日販は3.1%減、店内加工ファストフードの既存店日販は5.2%増となった。

コンビニエンス部門について新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、需要が急激に高まったことでマスク等を含む紙衛生品の既存店日販は27.9%増となった。

また、一斉休校、テレワークの拡大等によって、在宅時間が増え、家庭で飲食をする機会が増えたことによりデイリー食品(15.8%増)、調味調材(12.5%増)、冷凍食品(10.4%増)、加工食品(9.8%増)、ラーメン(7.3%増)、酒類(2.0%増)等の分類の販売金額が前年を上回った。これらにより買上点数が向上、客単価は2.6%増となった。

店内加工ファストフード部門は本体価格を80円に変更した「ホットコーヒーSサイズ」、好調なタピオカドリンクにけん引されドリンク分類の既存店日販は46.6%増となりました。3月20日~26日に実施した「チーズハットグ・ビックドッグ20円引き」の効果により、串もの分類の既存店日販は87.7%増となった。これらによりコロナウイルス感染拡大の影響により来店客数が前年を下回る中、店内加工ファストフードの販売金額は前年を上回った。

■ポプラ(2019年2月期:売上高260億円)
既存店全店日商27万5000円(10.9%減)、客数469人(12.7%減)、客単価586円(2.1%増)
全店売上高25万4000円(13.0%減)、客数462人(13.7%減)、客単価550円(0.8%増)
全店売上15.9%減

■ニューデイズ(2019年3月期:売上高1242億円)
既存店売上高26.1%減、客数25.0%減、客単価1.4%減
全店売上高26.6%減、店舗数497店

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