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ファミリーマート/細見新社長「デジタル化でサプライチェーン再構築、ビジネスの種まく」

2021年01月18日 17:00 / 経営

ファミリーマートは1月18日、細見研介氏が代表取締役社長に就任するにあたり記者会見をオンライン開催した。

<細見氏、澤田氏>
細見氏、澤田氏
※写真はファミリーマート広報部提供

同社は1月13日、伊藤忠商事の細見研介執行役員・第8カンパニープレジデントが代表取締役社長、澤田貴司社長が代表取締役副会長に3月1日付で就任する人事を発表した。

細見氏は、就任に向け「今年はファミリーマート事業開始から40周年の重要な年。ECなど競合他社との競争激化、コロナ禍で嵐の中の船出ではあるが、社員一丸、加盟店にも協力いただいて、商品開発、顧客利便性の向上、親しまれる店づくりに取り組みたい」と抱負を語った。

澤田氏は、「今年は新しい体制でもっともっと良い会社にしていきたい。細見さんを全力でバックアップする。今年は加盟店の更新の時期でもあるが、十分準備は整っており、細見さんの陣頭指揮のもと、しっかりやっていきたい」
と話した。

以下、細見氏会見要旨。

――ファミリーマートの将来ビジョンとは。

私のビジョンは、「あなたとコンビに、ファミリーマート」に尽きる。時代が変わっても、生活者とコンビに、地域とコンビになり、いかに貢献できるか追及していきたい。

――経営方針について。

時代の変化が速く、例えればサッカーをやっていたのに、ラグビーにゲームが変わっているかのようだ。このような時代にウルトラCの解決策があるとは思わない。マーケットインの視点で、基本に立ち返り小さなビジネスの種をまき続けるしかないのではないか。商売の要諦である「稼ぐ、削る、防ぐ」の3つの観点で課題を整理する。

――伊藤忠商事とのシナジーをどう図るか。

ECなど、新しいショッピング体験が生まれていても、リアル店舗の重要性は変わらない。その中で、顧客の購買の情報分析、デジタル化の進展により、様々な提携先と新しい事業を構築していく。昨年12月発足した(伊藤忠商事、ファミリーマート、NTTドコモ、サイバーエージェントの4社が設立した)データワン以外のプロジェクトもある。デジタル化は大きな取り組みより、小さな種をたくさんまき、育ってきたものを新サービスとして消費者のために提供するのはよいのではないかと考えている。

――デジタル化にどう取り組むか。

人手不足にテクノロジーを駆使した省人化店舗など加盟店とも協力して推進する。デジタル化は、あらゆる業界で最需要事項になっていることを第8カンパニーのプレジデントとして肌で感じてきた。ファミリーマートでは、デジタル化により、サプライチェーンの再構築、コスト低減に取り組むことが一丁目一番地だ。

――店づくりについて。

全世界でECが進展、リアル店舗の顧客にとっての意味合いが変わってきている。ライフスタイルの変化に合わせ、リアルの売場に求める変わっていくニーズに対応していきたい。ライフスタイルの変化をつぶさに研究して、応えていく中でファミリーマートは変容していくのではないかと考えている。

――商品開発の課題は。

商品は1つ1つの精度をさらに上げていくことが重要だと思っている。たくさんの評価を得ているもののあるが、他チェーンにくらべると至らない点もある。顧客の声を加盟店などを通して聴き、営々と努力していく。

――座右の銘は。

最近では「Go where nobody has gone, Do what nobody has done」(誰も行ったことのない所へ行き、誰もしてこなかったことをする)。チャレンジを続けることが人生を楽しくすることだと考えている。

■細見研介氏略歴
1962年12月31日生まれ
1986年4月:伊藤忠商事入社
1994年12月:ハンティングワールドジャパン出向(取締役)
2002年4月:伊藤忠商事 ブランドマーケティング事業部ブランドマーケティング第七課長
2010年4月:同社 ブランドマーケティング第三部長
2014年4月:同社 ブランドマーケティング第二部門長
2017年4月:同社 執行役員 食品流通部門長
2019年7月:同社 執行役員 第8カンパニープレジデント(現職)

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