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大手外食122社/約7割が値上げ、業態別では中華・ラーメンが最多

2022年11月14日 16:00 / 経営

東京商工リサーチは11月14日、国内の大手外食122社を対象に行った、2022年1月から11月上旬までの値上げ動向調査の結果を発表した。

<大手122社の値上げ実施状況>
大手122社の値上げ実施状況
※出典:東京商工リサーチホームページ

大手外食チェーン122社のうち、2022年に入りメニュー価格の値上げを公表したのは82社(構成比67.2%)と約7割となった。

82社のうち、2回以上の値上げを表明したのは28社(構成比22.9%)で、全体の2割を超えた。原材料高のほか、人件費や光熱費も上昇などが響いている。

82社が値上げを公表したのは105ブランドで、業態別では中華・ラーメンが18ブランド(9月調査時16ブランド)で最多だった。次いで、レストランが16ブランド(同9ブランド)、ステーキ・焼き肉が14ブランド(同12ブランド)となっている。

今春までは小麦、コーヒー、牛肉など、輸入食材に依存した主力メニューが中心の業態で値上げが目立ったが、秋以降はさまざまな国産の食材を取り扱う業態にも拡大している。

<値上げ率は5%以上10%未満が最多>
値上げ率は5%以上10%未満が最多

今回調査の値上げ幅では、「5%以上10%未満」が12ブランドで最多だった。ただ、単価の安いファストフードやコーヒーショップのメニューでは、販売価格が年初から15%以上の値上げもあり、価格転嫁が進むとさらなる値上げが冬場に広がる可能性もあるという。

回数最多は「値上げ1回」、一方で「2回以上」も2割以上が実施

値上げ回数は、「1回」が54社(構成比44.2%)と半数近くを占めた。一方、「値上げしていない」企業は40社(同32.7%)となっている。

11月までに複数回の値上げを実施した企業は、「2回」が25社(同20.4%)、「3回」が3社(同2.4%)だった。値上げを複数回実施したのは、ファストフードや中華・ラーメン、回転ずしなど、1品当たりの単価が安い業態で目立った。

9月中旬から11月上旬の間に値上げ幅が判明した31ブランドのうち、最多レンジは「5%以上10%未満」の12ブランド(構成比38.7%)だった。10%以上の値上げは11ブランド(同35.4%)で、3割以上を占めた。

<業態別1位は中華・ラーメンが18ブランド>
業態別1位は中華・ラーメンが18ブランド

業態別では、前回(9月)に続き中華・ラーメンが18ブランド(前回16ブランド)で最多だった。麺やスープ材料の値上げの影響が続いている。

前回4位のレストランが16ブランド(同9ブランド)で、前回2位のステーキ・焼き肉(今回14、前回12ブランド)や、同3位のファストフード(今回・前回12ブランド)を抜いて2位になった。

レストランの値上げは、夏まで最大手のファミレスチェーンに集中していたが、高級価格帯、和食メニューが主力のレストランチェーンなども新たに値上げを表明し、件数を押し上げた。

<値上げの理由>
値上げの理由

値上げの理由で最も多かったのは、「原材料」の高騰で89ブランド(構成比84.7%)と8割超を占めた。次いで、「物流」53ブランド(同50.4%)、「資源(原油含む)」28ブランド(同26.6%)、人件費23ブランド(同21.9%)と続く。今後、冬場に燃料の最需要期を迎えるが、最低賃金の上昇による人件費の負担増も懸念される。

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