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最適化栄養食で協会設立/日清食品、イオン、セブンが参画

2023年07月04日 15:51 / 経営

イオン、セブン‐イレブンジャパン、日清食品が参画する「一般社団法人 日本最適化栄養食協会」は7月3日、主要な栄養素がバランスよく適切に調整された「最適化栄養食」の普及を目指して活動を開始し、同日、コンラッド東京(東京都港区)で設立発表会を開催した。

<日本最適化栄養食協会が設立>

同協会は「最適化栄養食」を通じて、栄養バランスが整った食を誰もが手軽に摂取することで、人々のウェルビーイングと未病(健康と病気の中間を指す概念。主に肥満など)対策の実現を目指す。主要な栄養素がバランスよく適切に調整された「最適化栄養食」の規格化を進め、安全性確保のための新たなフードシステムを構築する。協会の設立にあたっては、伊藤理事長と日清食品の安藤社長がディスカッションを重ねた。「最適化栄養食」の普及にあたり、メーカーのみならず小売業の力も必要と考え、同社と取引があり尚且つ健康食への取り組みを推進しているイオン、セブン‐イレブン両社の参画につながったという。

協会はまず「最適化栄養食」の普及に注力する方針で、発表会見を行った7月3日から会員の登録申請を受付開始した。メーカー、小売りのみならず、外食などにも幅広く会員を募っていく。発足時の会員はイオン、セブン‐イレブン・ジャパン、日清食品の3社に加えて個人2名。協会の規模を今後拡大し、今期(~2024年3月)までに加入社数20社を目標とする。

<慶應大の伊藤理事長>

これまで肥満など臓器合併症の基礎的研究や新医療に携わってきた、慶應義塾大学 予防医療センター 特任教授の伊藤裕氏が理事長に就任した。伊藤理事長は「産学医が連携して設立した同協会は食によるウェルビーイングの実現を目指す。多くの国で食生活による国民の健康など、さまざまな問題が顕在化している。糖尿病・高血圧のリスクを増加させる肥満・過体重が成人男性に増えている一方、誤ったダイエット方法などが原因でカロリーや栄養素の不足した状態が女性層を中心に深刻化しており、低栄養も極めて問題だ。最新のフードサイエンスに基づく安全確保のための新たなフードシステムを構築することで、未病対策を目的とする。『最適化栄養食』は今後、栄養バランスが整った食事として1つの選択肢となり、社会的意義を持つだろう」と挨拶した。

<イオンの土谷理事>

協会の理事を務めるイオン執行役副社長 商品担当 兼 イオントップバリュ代表取締役社長の土谷美津子氏は「食べることは我々にとって楽しみであり、喜びをもたらす大切な時間だ。多くの人に食を楽しむ選択肢が必要。単身者、働く女性の増加など忙しい中で不足しがちな栄養をどう補うかの選択肢の1つとして『最適化栄養食』を推進し、美味しく栄養バランスの整った食事を豊富な選択肢の中から選ぶ未来を実現できれば、生活者の心の豊かさ、幸せにつながると考えている。簡単で栄養バランスの整った食事を提供していく」と話す。

<セブン‐イレブンの永松理事>

セブン‐イレブン・ジャパン 代表取締役社長の永松文彦理事は、「令和に入り、健康について考える機会が増えてきた。セブン‐イレブンでは1日に2000万人が訪れ、そのうち7割が食品を目的に来店している。日本の健康についてコンビニエンスストアである我々の店舗が果たす役割は大きいのではないかと考えている。商品の美味しさと品質を両立させながら、健康という価値を高め、プラントベースプロテインやスムージーなど新しい取り組みを進め、今後も顧客の健康的な生活に寄与していく」と述べた。

<「最適化栄養食」のサンプル>

発表会では、日清食品が用意した「最適化栄養食」のサンプル8種を用意。かつ丼、ナポリタンスパゲティ、テリヤキチキンピザなど、一般的に高カロリーで知られる品目が並ぶ。「最適化栄養食」は、年齢や性別、生活習慣など、個人の状態に合わせて1食で必要な栄養素を全て栄養素がバランスよく適切に調整された食事を指す。現時点では、特定の未病者向けではなく万人向けにPFCバランスを適切化した食事をラインアップする予定。サプリなどの錠剤は該当せず、味は評価基準に含まれていない。カロリー量に応じて主要な栄養素がバランスよく調整されているため、一般的な食品よりもカロリー量がカットされている。協会としては、ジャンクフードとして知られている食品のバリエーションを増やしていきたい考えだ。

協会に登録された栄養設計基準を過不足なく満たした製品に付与される「認証マーク」は、デザイナーの佐藤可士和氏が担当。「消費者にとって安心と信頼の象徴となるよう、分かりやすく、公共性・普遍性を兼ねそろえたデザインにした」という。

会員の参加資格は、健康食の普及に注力する意思の有無のみ。メーカーのみならず、小売り、外食など食品を扱う事業者であれば業態は問わない。協会は今後、登録認証のためのルールメイキングを随時行い、会員企業が用意した健康食に対して「最適化栄養食」の認証審査・判定を行っていく。

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