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セブン&アイ/戦略委員会の提言とアクションプランを発表

2024年04月11日 12:10 / 経営

セブン&アイ・ホールディングスは4月10日、取締役会における戦略委員会の提言に関する討議内容とグループの企業価値・株主価値の最大化に向けたアクションプランを発表した。

<井阪社長>

井阪隆一社長は、「2021年に中期経営計画を公表して以来、当社は総合小売業を目指す方針から脱却し、国内外CVS事業への集中を加速させるとともに、事業ポートフォリオの見直しと最低限運営に向けたアクションを加速した。その過程で2023年3月、中期経営計画で中期的な企業価値、株主価値の最大化をさらに図るために、独立社外取締役のみで構成される戦略委員会を設置し、グループの重要戦略実行や最適グループ構造を客観的視点から評価、モニタリングを行ってもらった。今回、この戦略委員会における提言が取締役会に提出された。取締会においては、真摯に、そしてスピード感を持って議論を経て、グループの企業価値、株主価値の最大化に向けたアクションプランを策定した」とアクションプラン策定までの経緯を説明した。

アクションプランは、「成長加速に向けた具体的アクションプラン」「長期的成長と企業価値を高める最適グループ構造への移行」「投資家エンゲージメントの強化」の3本柱で構成する。

成長加速に向けた具体的アクションプランとして、グループ全体の成長戦略を推進するために、より機動的且つ柔軟な財務規律をもって(財務レバレッジのターゲット:Net Debt/EBITDA倍率1.8~2.5倍を目安に)コンビニエンスストア(CVS)事業における積極的な戦略投資を実行すると同時に、グループ資本効率の改善を図る。

具体的には、「成長余地の大きな北米CVS市場における成長加速と収益性・資本効率の改善」「グローバルCVS事業におけるよりアグレッシブな事業計画の策定・投資の実行」「グローバル成長の礎となるIT/DX戦略とコスト競争力を高めるIT/DXガバナンス構築」「首都圏スーパーストア(首都圏SST)事業の変革完遂と成長に向けたモニタリングと実行支援」「グループにおける小売×金融のシナジー最大化」に取り組む。

長期的成長と企業価値を高める最適グループ構造への移行については、戦略委員会の提言を受け、取締役会では、CVS事業を含めた各事業の事業価値、各事業に携わる従業員、株主の長期的な利益の最大化を実現し得るグループ構造について、主要事業会社と連携を図りつつ、議論を重ねた。その結果、CVS事業においては、日本・北米を含むグローバルCVS事業の一体運営を実現するために、今後、CVS事業のリーダーシップ体制・マネジメント体制の統合を推進する。

スーパーストア(SST)事業においては、変革を通じて、自立的な再成長フェーズが見渡し得る経営体制の確立、独立した企業体として独自の財務規律をもって成長の方向性を自ら定め、従業員が事業の成長に強く関与出来るグループ事業構造の実現を目指す。具体的には、セブン&アイHDによるSST事業の一部持分の継続保持とCVS事業とSST事業の間の食品開発領域における協働体制の維持を前提に、抜本的変革の先にあるSST事業の持続的成長のための有力な選択肢の一つとして、現実的に最速のタイミングでのSST事業のIPO実現に向けた検討を開始する。

投資家エンゲージメントの強化では、自社のミッションひいては株主価値の向上に向けた取り組みが明快かつ透明性をもって伝えるため、投資家を重視し、エンゲージメントを行う。自社の具体的な戦略、成長の道筋、進捗状況に関する投資家とのコミュニケーション体制について、課題の検証や強化に向けた取り組みを継続する。

戦略委員会は、発足以来、委員会前の膨大な分析、13回にわたる委員会および数多くの非公式討議を通じ、多大な時間と労力を費やして運営されてきた。戦略委員会からの提言は、取締役会においても十分に議論され、今回公表されたアクションプランに反映している。また、取締役会は、戦略委員会からこれまでも継続的に助言を受け、既に多くの戦略的施策を実行してきた。上記の各項目についても、具体的な計画及び明確なアクションプランに沿って着実に実行されるように監督する計画だ。

セブン&アイは、引き続き株主をはじめステークホルダーの声に傾聴しつつ、「セブン-イレブン事業を核としたグローバル成長戦略と、テクノロジーの積極活用を通じて流通革新を主導する、『食』を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」の構築を通じたグループの持続的な成長と企業価値向上を実現すべく、この3つの領域におけるアクションプランを速やかに推進し、次期中期経営計画においてもその進捗を適切に反映していく。

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