オーカワなど2社/こんにゃく製造、破産手続き開始で負債68億2200万円

2024年09月25日 12:51 / 経営

帝国データバンクによると、オーカワ(奈良県吉野郡)と、関係会社の大川商店(奈良県吉野郡)は9月17日、奈良地裁から破産手続き開始決定を受けた。

オーカワは、1964年創業の大川商店(現・大川商店)の販売部門を分離する形で、1985年7月に設立された。当初はこんにゃくを中心に、めん類や胡麻豆腐、ところてんなどの卸売りを手がけていた。流通大手や食品スーパー、地元食品小売店、食品商社など約800社に販路を構築。こんにゃく販売業者として関西ではトップクラスの規模を誇り、ラジオCMの効果などもあって当地では高い知名度を有していた。

2011年10月からは個人事業の大川商店の製造業務を引き継ぎ、卸売りから製造へ業態転換した。関西圏外の食品スーパーからの受注が増加した2016年4月期には年売上高約44億5000万円を計上し、2018年12月に経済産業省から「地域未来牽引企業」に認定されていた。

しかし、食の嗜好の変化により国内のこんにゃく製品市場が縮小していたうえ、同業者との競合も厳しく、売り上げは減少傾向で推移。原材料価格やエネルギー価格に加え、人件費も上昇する一方で、特売品とされやすいこんにゃく製品は価格転嫁が難しく、収益性は低迷していた。

大川商店から引き継いだ借入金の返済負担が重荷となるなか、拠点の集約や社有不動産の売却などリストラを行っていた。また、取引先に対する支払い遅延が発生するほか、従業員の退職が相次ぎ信用不安が表面化した。

2024年4月期の年売上高は約30億円に落ち込み、営業損益段階から赤字となっていた。さらに、食品スーパー向けに販売した商品の一部に溶解が見受けられ、腐敗臭が確認されたことで、2024年8月1日から自主回収を行っていたが、事業の継続は困難と判断し、8月8日付で事業を停止していた。

大川商店は、1964年創業、2012年11月に法人改組された。オーカワの原料調達窓口としての役割を担っていたが、同社に連鎖した。負債は申請時点で、オーカワが債権者約375名に対し約44億900万円、大川商店が債権者約21名に対し約24億1300万円、2社合計で約68億2200万円。

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