かづ美/結婚式場、民事再生法の適用を申請、負債27億400万円

2024年12月23日 12:00 / 経営

帝国データバンクによると、かづ美(石川県金沢市)は12月20日、金沢地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日、弁済禁止の保全処分・監督命令を受けた。

負債は申請時点で債権者約287名に対し約27億400万円。今後は、スポンサーを募り再建を目指す方針。

同社は1986年創業、1987年7月に法人改組した。当初は貸衣装業を手がけていたが、2004年にガーデンウエディング施設の「ヴィラ・グランディス ウエディングリゾート金沢」を開業したのを皮切りに、2006年には富山市内、2007年には金沢の式場に併設する形で「カーサ・ディ・ジェナ」をオープンし、結婚式場運営会社として業容を拡大した。

さらには、中国・上海に現地法人を設立して海外展開も進めていた。施設は、チャペルを併設し庭園を利用する形の郊外型結婚式場。自由度の高いプランニングも評価され、地元となる北陸3県においてはトップクラスの業容を誇っていた。2010年に開業した福井市内の式場が通期稼働した2011年6月期には年収入高約25億5700万円を計上していた。

しかし、その後は婚礼件数の減少に加え、他地域からの競合施設の進出により、収入高は弱含みで推移し、2019年6月期の年収入高は約17億8400万円にダウンした。その間、収益性も低下して赤字を散発していたうえ、不振に陥っていた中国現地法人の清算に伴い大幅な赤字を計上したこともあり、債務超過に転落していた。

新型コロナウイルスの感染拡大により、婚礼行事の中止・延期による影響で収入高が大きく落ち込み、大幅な赤字計上が続いた。設備投資に伴う借入金の返済が重荷になり、金融機関に返済猶予を要請し、立て直しを図っていたものの、苦しい経営を強いられるなか、自主再建を断念した。

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