くら寿司/11~7月、営業損失3億8200万円も国内、台湾事業堅調

2022年09月07日 10:20 / 決算

くら寿司が9月6日に発表した2022年10月期第3四半期決算によると、売上高1347億5600万円(前年同期比21.8%増)、営業損失3億8200万円(前期は8億1700万円の損失)、経常利益29億8900万円(111.6%増)、親会社に帰属する当期利益17億1100万円(121.0%増)となった。

<くら寿司の回転レーン>
くら寿司の回転レーン

国内外食産業は、2022年4月以降、営業制限により2年以上に渡り営業自粛を続けていた飲食店が再開するなど、外食市場は徐々に回復の兆しが見られる。しかしながら、正常化に伴う人件費の上昇がみられるなか、食品やエネルギー価格などの上昇に円安も加わり、厳しい経営環境が続いた。さらに2022年6月以降の新型コロナ感染症の第7波が人流を抑制し、先行き不透明な状況が続いている。

このような状況のもと、グループはお客と従業員の安全を第一に考え、抗菌寿司カバー「鮮度くん」や「スマートくら寿司」導入など感染拡大を防止するための、さまざまな取り組みを競合他社に先駆けて行い、コンセプトである「見えないところを大切に」商品提供してきた。

日本国内の売上高は1122億3700万円(12.7%増)、経常利益24億5400万円となった。販売促進では、流通網の混乱により原材料確保が困難になるなか、2022年7月には今年度4回目となる「かにフェア」や「とろといくらフェア」等を実施した。また、フェアに合わせ「コナン」、「ワンピース」等有力なコンテンツとタイアップし、コラボ商品の販売やオリジナルグッズが当たるキャンペーンを実施した。

店舗開発では、新型コロナウイルス感染症の収束後をにらみ積極的な出店を継続した。2022年5月にはグローバル旗艦店で導入している高級感ある「白木造り」や大迫力の「巨大浮世絵」を採用した「ジャパニーズモダン」が特長の「プラス型店舗」第1号店「京都店」をオープンし、7月には第2号店「大森店」をオープンした。今後、期待されるインバウンド需要の回復を見据え、引き続き都市部にも積極的に出店する。

米国子会社「Kura Sushi USA,Inc.」(KSU)は、経済環境の好転に伴い消費全般が回復したことから好調な売上高となった。前期までの、新型コロナ感染症による営業制限中にもかかわらず新規エリアに積極的に出店した効果や、人件費の急上昇にスライドした商品価格の改定を行い、コロナの感染拡大以降初めて、四半期での黒字化を達成し急速に回復した。一方で、インフレの影響が強かった上期の損失を挽回しつつも、すべてを吸収することは難しく、売上高116億1100万円(195.9%増)、経常損失3億1100万円となった。

台湾子会社「亞洲藏壽司股份有限公司」(KSA)は、2022年5月以降急速に新型コロナ感染症の拡大がみられ、5月~6月にかけ人流の減少により客数に一定の影響を受けたものの、人気アニメ「クレヨンしんちゃん」とのコラボなどの施策により、第3四半期連結累計期間を通じて堅調な売上高となった。この結果、売上高109億700万円(前年同期比52.5%増)、経常利益8億4600万円となった。

店舗開発では、日本において25店舗、米国6店舗、台湾6店舗を出店し、第3四半期連結累計期間に3カ国計36店舗を出店した。

通期は、売上高1824億7700万円(23.6%増)、営業損失9億200万円、経常利益25億6700万円(19.1%減)、親会社に帰属する当期利益8億8400万円(53.5%減)を見込んでいる。

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