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矢野経済研究所/2009年度の健康食品市場は前年比1.2%減

2010年01月12日 / トピックス

矢野経済研究所は1月12日、2009年10月-12月に健康食品メーカーなどに対して実施した、健康食品市場の調査結果概要を発表した。概要によると、2008年度の健康食品市場規模は前年度比1.4%減の6698億円で、2006年度以降市場は縮小基調にあるとしている。

縮小の背景には、行政による表示・表現方法やビジネスモデルに対する規制・監視の強化、ヒット素材の不在などがあり、消費者の支出抑制傾向が強まっていることが最も懸念される要因となっている。消費の不振は高額品を中心に影響しているが、消費者自身が価値を認めた商品は継続して摂取する傾向にあり、コラーゲンなどの美容関連や関節対策で人気の高いグルコサミンは堅調に推移している。

2009年度は消費者庁の発足で、消費者保護と悪徳事業者に対する規制強化が引き続き実施される模様だが、一方で消費者の消費抑制傾向も強固になると見られ、市場規模は前年度比1.2%減の6620億円と予測されている。消費者需要の高い美容・アンチエイジング、エイジングケア(中高年齢対策)など効用のある商品は引き続き堅調と考えられている。

健康食品市場は無店舗販売と店舗販売に大別され、無店舗販売が全体の約7割を占めている。流通チャンネル別では、最大の販売チャンネルの訪問販売の2008年度の市場規模は2.7%減の2700億円。この背景には訪問販売員の高齢化と新規販売員の獲得難、消費者の高額品の買い控えなどがあるとされる。

通信販売の2008年度の市場規模は4.2%増の2,140億円で、流通チャンネル別では唯一市場が拡大した。店舗販売は概して苦戦を強いられており、最大のチャンネルである薬系卸(ドラッグストア、薬局・薬店への卸)の市場規模は1.0%減の870億円、食系卸(コンビニエンスストアや量販店・スーパーマーケットへの卸)は5.9%減の273億円、健康食品系卸(主に健康食品専門店への卸)は8.9%減の225億円。

減少傾向にあっても薬系卸では低価格のサプリメントや美容食品などが好調で、過去2年間で減少幅は縮小したが、それ以外の流通チャネルは大幅に減少した。

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