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セブン&アイ/清水執行役員が語る、オムニ7「ネットとリアルの融合」(前編)

セブン&アイ・ホールディングスが展開するグループ企業横断型ネット通販サイト「オムニ7」が、バレンタインデーに合わせて、ヴァーチャルリアリティ(VR)を活用したバレンタインショップを実験導入した。オムニ7内にリアルな店舗を再現し、あたかも実際の店舗で買い物をしているかのように、商品が選べる新たな取り組みだ。

今回、セブン&アイ・ホールディングス執行役員の清水健オムニチャネル管理部シニアオフィサーに、オムニ7が目指す「ネットとリアルの融合」について語ってもらった。

<清水執行役員>
清水執行役員

■ネットとリアル、それぞれのメリットとデメリットは

――VRバレンタインショップを1月10日~2月6日に実験導入したがその狙いは。

清水 元々、オムニ7をやった時から、お客様にできるだけストレスなく買い物していただけるように、シームレスな買い物を目指していた。ネットとリアルをいかに融合させ、スーパーとコンビニと百貨店と専門店の商品を一堂に並べて選べるような売場で、どれでも好きなものを選んでもらう。あともう一つ業態を超える思いがあって、その両方をヴァーチャルな売場だと実現できると思った。

リアルな売場で、どこかの場所を定めて、スーパーとコンビニと百貨店と専門店の商品を全部、並べることは難しいが、ヴァーチャルだと比較的容易にできる。ネットとリアルを融合させるだけでなく、業態を超えるということも含めて、両方を実現できるという意味で、今回は売場を作った。もちろん、話題性もある。

VRバレンタインショップには、700SKUを展開している。リアルな店舗だと、会社をまたがって商品を見せるのは難しい数だ。ロフト、そごう・西武、ヨーカドー、セブン-イレブンのチョコレートが並んでいるというリアルな売場はない。

<VRバレンタインショップ>
VRバレンタインショップ

――業態を横断して商品を売るうえで、オムニ7の課題は何か。

清水 オムニ7上で共通の検索はかけられるので、例えば、チョコレートと打てば各社の商品は、業態や会社を超えて表示されるようになっている。ただ、検索が多少、スムーズではない。

個人的な見解だが、売場として、商品を比べて選ぶという意味では、リアルな売場にかなうものはないと思っている。

ネットは、どちらかというとキーワード検索で、単品で入ってきてモノを探すか、あるいは一番安いモノなどを探すには適しているが、クリスマスやバレンタインのプレゼントをたくさん並んでいる中から選ぶという意味では、なかなか選びにくい。

リアルな売場でやるウィンドーショッピングするような感覚は、なかなかつかみにくい。システム的にはいまのサイトは、業態をまたいでいる。ただ、業態を超えて、買い物を楽しむとか、ウィンドーショッピング的な形での買い物が、オムニ7でできていない。そこは課題だと思っている。

<西武渋谷店の雑貨売場>
西武渋谷店の雑貨売場

――ネット通販とリアル店舗の違いは。

ネットの場合は、例えば書籍なら、この本と決まっていれば、中古本を含めて安い本を買うことができるし、テーマが決まっていれば、キーワードを入れて探すことができる。

リアルな本屋に行って本を買うのと、ネットでは、お客様の考え方もやっぱり変わっている。ネット通販では、買い手の好みとネット通販サイトのリコメンドで購入が決定されるが、どこまで購入商品の幅が広がるかは疑問だ。それこそリアルの店舗にいった方が、やはり商品を選ぶ幅は広がる。

バレンタインについても、もっと違う売り方もあると思っていて、セブン&アイならば、各社のチョコレートを並べるだけじゃなくて、スーパーのチョコレートとロフトの雑貨みたいな組み合わせで、プレゼントを提案することも本当はできるはずだ。

いまは、ネット上で検索をかけても、セット売りになってない限りはでてこない。ところが、西武池袋本店にいって売場を歩いていると、チョコレートと雑貨を組み合わせでプレゼントをするみたいな発想がでてくる。そういうのは、オムニ7でこそやるべきことだと思う。

――オムニ7が目指す商品の売り方のイメージは。

清水 本当は商品検索も部門を超えて、関連する商品がテーマやシーン別に表示されるようにやりたい。例えば、就職活動を検索したら、グーグル上は、いろんなテーマで、キーワードが表示される。

就職活動というキーワードを入れると、スーツとかワイシャツだけじゃなくて、ボールペンと手帳も出てきたりとか、それに関連するものが全部出てくるようなイメージだ。セブン&アイは、事業会社があるし、商品もいっぱいあるので、そういうサイトができるはずだ。そうすると、価格で競争する必要もないし、物流で競争する必要もないと思う。

ただ、そういう買い方は、ネットに来る人は慣れていない。今回のように、ヴァーチャルな売場を作ったりすると、本当のデパートにいっているような感覚だったり、リアルなお店にいっているような感覚がある。

リアル店舗と同様に、ウィンドーショッピングも、VRショップでやる人がいる可能性もある。ネット上でも関連するものが横に並んでいれば、なるほどねということで、見に行く可能性もある。

<VRショップの店内>
VRショップの店内

――リアル店舗のデメリットは何か。

清水 利用シーン別の商品陳列が難しいのは、リアルの売場だからだ。リアルな売場ではスペースが必要で、商品がモノとして本当に必要で、それを陳列する人と手が必要になる。

ところが、ネットの世界は元々、アイテム数はものすごい数がある。組み合わせも、別に人がわざわざモノをしょって運ばなくてもできる話で、売場作りだって、いくらでも作れる。そういう意味では、ネットの方がむしろ適していて、そういうことをもっと本来は、やっていくべきだと思う。

新入学みたいな言葉で検索したら、お子さんとお母さんの洋服、ランドセルなど、全部、出てくるようにすべきだ。

――ネットでも、利用シーン別、テーマ別の提案ができないのはなぜか。

清水 例えば、子供用の洋服を買ったときに、子供用の靴を進めてくるケースはあるが、親の入学式の洋服まで売り込む流れはない。リコメンドもないし、そうやって見せるところもない。

ただ、ネットの世界では、グーグルとかヤフーは普通に、検索すれば、いろんなラインでキーワードが引っかかってくる。いろんな入学式の日程、入学式の服装、そういう洋服を売っているお店の案内、ランドセルも出てくる。

そういう買い方は、いまのECサイトに来る人は、まったく意識していない。ただ、リアルなお店にいったら、お客様は、そういう買い方をしている。例えば、ヨーカドに子供の入学式の洋服を買いに行ったときに、親が自分の洋服を見るということはやっている。

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