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エー・ピーカンパニー/2020年に海外売上比率を50%以上を目標に

2016年07月11日 17:08 / 商品店舗経営

居酒屋の塚田農場などを展開するエー・ピーカンパニーは、2020年までに海外売上高比率を50%以上に引き上げる。

<米山社長>
米山社長

7月11日、都内で開いた訪日外国人団体客向け新メニュー発表会で、米山久社長が明らかにした。

現在、日本国内では「塚田農場」を中心に約150店を展開。現在の売上構成比では、国内売上高が90%以上となっている。

米山社長は「日本では、少子高齢化社会や人口減少という課題がある中で、企業の成長戦略として海外市場の開拓は避けて通れない」と語る。

海外では2012年7月にシンガポールに「塚田農場」ブランドの1号店を出店したのを皮切りに、サンフランシスコ、ハワイに出店し、8店を展開している。

中国では合弁会社を設立し、「中国における、食の安全と安心」モデルの確立を目的としたファームレストラン「FROM FARM」をオープンしている。

2017年3月期は中国へ5店出店するほか、台湾、フィリピン、インドネシアといった未進出エリアでの出店を計画している。

日本国内では、塚田農場の1店あたりの出店コストは5000万円~6000万円で、売上高が1億円~1億2000万円が標準的な店舗となっている。

中国では、日本よりも客席数の多い店舗を出店するため、出店コストは7000万円程度、売上高は2億円~3億円程度の出店を計画している。

中国でも自社農場、契約農家といった産地から居酒屋までを一気通貫でつなぐ産直モデルの確立を目指しており、日本と同様に産地を開拓する取り組みを開始している。

食の安全・安心を求める声は中国国内でも高まっているが、産地と消費者を直結する6次産業的なビジネスモデルが、中国国内では確立されていないという。

中国では、富裕層を対象とした平均単価が300元(6000円程度)を超える寿司や日本料理店が多いという。

エー・ピーカンパニーは、産直モデルを導入したこだわりの食材を活用し、平均単価が100元(2000円~2500円程度)の中流層が利用しやすい店舗を出店する予定だ。

日本国内でもまだ出店の余地はあるとみており、年間で20~30店程度を出店する予定だ。

海外での本格出店を前に、海外での塚田農場のブランド認知度を上げるための施策として、旅行代理店を活用した、訪日外国人団体客向け新メニューを投入。

一部の店舗を除き行わないランチタイムの営業時間に、訪日外国人団体客向けの新メニューを投入することで、世界へ向けて、塚田農場ブランドを発信していきたいという。

エー・ピーカンパニーの2016年3月期決算は、売上高218億3900万円(前年同期比13.5%増)、営業利益5億9700万円(52.9%減)、経常利益8億2500万円(44.7%減)、当期利益5億2300万円で、増収減益決算だった。

次の成長戦略として、外国人の取り込みのほか、ファミリー層、女性客の取り込みを掲げており、2017年3月末までには、ファミリー向けの業態とカフェ業態を開発する計画だ。

地鶏を使用した料理を提供する「塚田農場」の平均客単価は3500円程度だったが、高額消費の動向が鈍る中で、平均単価が2500円程度でより気軽に開発できる業態も必要となっている。

そのため、地鶏ではなくブロイラーを活用した業態の開発も進めている。

米山社長は「おいしい理由はどこにあるのかを、一つ一つの仕組みを組み立てていくことが、エー・ピーカンパニーが最も大切にする価値だ。料理の技術がすべてではなく、素材、加工、流通、接客、といった一つ一つをつなげる。生販直結モデルという一言で語れるものではない。ブロイラーでも自社のこだわりは表現できる」という。

現在は、居酒屋を中心に夜の需要を取り込んでいるが、2015年11月にはお弁当の販売を開始し、昼のランチ市場へ本格参入した。

今後は、ECサイトも立ち上げる予定で、居酒屋業態の「塚田農場」を軸に、お客との接点を拡大していく予定だ。

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